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中国が預金準備率を50bp引き上げ、インフレ抑制優先

 [北京 12日 ロイター] 中国人民銀行(中央銀行)は12日、物価安定に向け、商業銀行の預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き上げた。金融機関から預かる預金を増やすことで、インフレ高進の要因となる余剰資金の吸収を目指し、景気減速の兆しがみられるなかでも、インフレ抑制を優先するという中銀の決意が示される格好となった。

 5月12日、中国人民銀行(中央銀行)は物価安定に向け、商業銀行の預金準備率を50bp引き上げた。写真は08年10月北京にある中銀前で撮影(2011年 ロイター /Jason Lee)

 預金準備率の引き上げは昨年10月以降8度目。大手行の預金準備率は過去最高の21%となる。

 人民銀行のウェブサイトに掲載された声明によると、預金準備率の引き上げは5月18日から実施される。

 4月の一連の経済指標が予想よりも弱めとなるなか、今回の決定は、中銀が金融引き締めを緩めると見込んでいた向きにはサプライズとなった。

 中国招商銀行(深セン)のエコノミスト、Xu Biao氏は「中銀は、投機資金の流入や大規模な経常黒字を背景に、流動性の吸収に向け、預金準備を再度引き上げている」と指摘。「今回の措置は本格的な引き締めとみるべきではない。(預金準備率引き上げは)むしろ中立的な金融政策運営の一環となっている可能性がある。その場合、中銀は今後も預金準備率の引き上げを継続していくだろう」と述べた。

 4月の鉱工業生産は前年比13.4%増と、3月の14.8%から伸びが鈍化。予想の14.7%を下回った。同月のマネーサプライM2伸び率も前年比15.3%と、予想の同16.5%を大幅に下回り、2年5カ月ぶりの低水準となった。

 ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニール氏は、投資家の多くが考えている以上に中国経済が減速する可能性があると指摘。中国国家発展改革委員会(NDRC)の研究員、Wang Jian氏は今週、年後半には実際に利下げが行われるとの見通しを示した。

 こうしたなか、4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比5.3%と予想を上回り、今年の中銀目標である4%を大幅に上回っている。

 アナリストは、資本流入や大規模な貿易黒字、堅調な不動産セクターを背景に、中銀は政策引き締めを継続するとみている。ただ、その場合、経済全般での金利の引き上げというよりも、資金の吸収が狙いになるという。

 ソシエテ・ジェネラル(香港)のエコノミスト、Wei Yao氏は、「資本流入が続くかぎり、中銀は預金準備率の引き上げを迫られるだろう。マクロ的な観点からいえば、これは引き締めではなく流動性の不胎化だ」と述べた。

 ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC、香港)の新興国担当シニアストラテジスト、ブライアン・ジャクソン氏は、「インフレや銀行貸し出しに関するデータに加え、中国人民銀行が預金準備率の引き上げに上限はないとの考えを示していることを踏まえれば、今回の引き上げはそれほど予想外の出来事ではない」と話した。

 ロイターが4月に行った調査によると、アナリストは預金準備率が12月までに21.5%に上昇すると見込んでいる。

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