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政府内に「15年度までに消費税10%」案、実現には与党の壁

 5月20日、政府と一部民主党執行部内で、2015年度までに現行5%の消費税率を10%に引き上げる案が有力となっている。写真は2日撮影(2011年 ロイター/Issei Kato)

 [東京 20日 ロイター]  政府と一部民主党執行部内で、2015年度までに現行5%の消費税率を10%に引き上げる案が有力となっている。ただ、民主党の意見集約は困難が予想され、政府が6月末にまとめる社会保障と税の一体改革案に明記して閣議決定できるかは、なお不透明な情勢だ。 

 実現に向けた最大の難関は与党だ。民主党内には「一体改革の成案では引き上げの時期や幅は明記できないのではないか」、「与謝野担当相の意気込みは理解するが、党内で踏み込んだ合意は難しい」、「15年度までに消費税10%程度への引き上げは書き込める。その場合でも直ぐ引き上げられるわけではなく、引き上げ時期は経済情勢をみながら判断することになる。成案を得た後、選挙で国民の信を問い実行に移すことになるため、任期内に消費税を上げないとしたマニフェスト違反にもならない」などの声があり、党内の溝は深い。 

 しかし、増税に向けた布石は政府内でも、民主党内でも静かに打たれている。政府は17日、今後政府が取り組む優先課題を示した「政策推進指針」で、今後3年程度の間に「震災復興に必要な財源確保、社会保障・税一体改革を実行に移す」ことを閣議決定し、3年内の税制抜本改革の「実行」に踏み込んだ。同指針は新成長戦略やエネルギー政策、環太平洋連携協定(TPP)など他にも幅広い政策に言及しているが、ある政府関係者は「一体改革の6月成案を閣議決定することで、改革をより揺るぎないものとする狙いもあったのでは」と話す。 

 一方、民主・自民・公明の政調会長は、11年度第1次補正予算案をめぐる3党合意で、復興のために必要な財源は既存歳出の削減や復興国債で賄い、復興国債については「償還を担保する」ことを確認。政府・与党が一体で、社会保障改革と税の一体改革では「実行可能な案を可及的速やかにかつ明確に示す」ことでも合意した。とりまとめに参画した自民党筋は6月末にまとめる一体改革の成案では、時期や幅の明記は避けて通れない約束事だとしている。 

 一体改革案のとりまとめに向けて、政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」では、5月末に社会保障改革案をまとめ、財政試算を示したうえで財源の議論に着手する。6月からは、政府税制調査会(会長:野田佳彦財務相)も税制抜本改革の議論を開始し、財源をめぐる主戦場は財務省を中心とした政府税調にシフトする。

 こうしたなかで、社会保障制度の持続可能性を担保するには増税が不可欠、との実態をどこまで説得力をもって国民に示せるかが、消費税の議論の行方を左右しそうだ。   

 (ロイターニュース 吉川裕子 基太村真司;編集 石田仁志)

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