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株安・金利低下が鮮明、機械受注の下振れで株処分の動き

 [東京 8日 ロイター] 8日の東京市場では、リスク投資マインドの低下を受けて株安/債券高が鮮明。日経平均が心理的なポイントの9500円を割り込み、長期金利は銀行勢の買いを背景に1.3%を下回った後も低下余地を探る展開だ。

 7月8日、東京市場では、リスク投資マインドの低下を受けて株安/債券高が鮮明に。写真は東京証券取引所のロゴ。昨年10月撮影(2009年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 米雇用統計以降、市場心理は悲観的な材料に反応しやすくなっており、機械受注の予想外の減少で地合いの変化を感じ取る参加者が急速に広がっている。 

 <緊迫した状況> 

 株式市場では日経平均が続落。米株安と円高に加え、寄り付き前に発表された5月の機械受注が、事前のプラス予想に反してマイナス3.0%で3カ月連続のマイナスとなったことも嫌気された。6月23日に付けた取引時間中の安値9511円45銭を割り込んできたことで、市場のムードは一段と悪くなった。「海外勢の売りや個人の投げ売りも出ているようだ」(準大手証券情報担当者)という。

 6月の米雇用統計が予想外の悪化となったことをきっかけに楽観的な景気回復予想が見直しを迫られている。「原油先物や株式などリスクマネーから海外ファンドが資金を巻き戻しているようだ。昨年来の金融混乱でヘッジファンドなどは大きく傷ついており、まだ病み上がりの段階だ。ネガティブなニュースが多くなって急速に資金を引き揚げているのだろう」(みずほ証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏)とみられている。

 米景気回復期待の修正で追加経済対策の議論も浮上してきたが、インベストラスト代表の福永博之氏は株式市場にとってはマイナスに働く公算が大きいとみている。「6月には金融政策で出口論さえ出ていた状況から180度逆になることを示すからだ。追加景気対策を打ち出すとなれば、規模よりも実体経済への即効性があるかどうかが評価される。これから本格化する米国の企業決算と併せて、やや緊迫した状況となってきた」と指摘している。

 <連鎖株安で円買い強まる>

 為替市場では円買い圧力が強く、ドル/円、ユーロ/円とも下落。海外市場での下げ基調を引き継いで朝方からファンド勢や国内証券などの売りが先行、ドルは一時94.30円まで売られ5週間ぶり安値を更新した。ユーロ/円も131.12円まで売られて1カ月半ぶり安値を更新した。6月の米雇用統計後のリスク選好ポジションの巻き戻しが続いている。

 7日のFTSEユーロファースト300種指数や米ダウ工業株30種の下落を受けてきょうの日経平均は9500円を割り込み、株安の連鎖に歯止めがかからない。米CFTCが商品・エネルギー取引への規制強化を検討していることも話題になっており、「原油取引などの規制強化をにらんで、ドルや円から商品や資源国通貨に向かっていた資金の巻き戻しが強まっている」(ソシエテジェネラル銀行外国為替本部長、斎藤裕司氏)という。

 米政府の経済再生諮問会議のメンバー、ローラ・タイソン氏は、米国は景気刺激策の第2弾を予備的に計画すべきとの見方を示したが「リスク選好ポジションの巻き戻し地合いは変わらない」(国内銀行)との声も出ている。

 ロイヤルバンク・オブ・スコットランドのヘッドオブFXストラテジー、山本雅文氏はリポートで「米追加刺激策で楽観論が再び高まるというよりは、実体経済の厳しさをあらためて意識させたり、更なる財政拡大が長期国債の需給悪化懸念につながり悪い金利上昇を招くリスクの方が高いとみられる」とコメントしている。

 一方、イタリアの通信社ANSAによると、中国の胡錦涛・国家主席は、新疆ウイグル自治区の暴動を受けて主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)は欠席する。中国はドルに代わる新たな準備通貨の議論をロシアとともに先導しており、また世界景気回復のリード役として存在感を高めているだけに「胡錦涛・国家主席の欠席でサミットの意味合いがやや薄れそうだ」(国内金融機関)との声が出た。

 <銀行勢主導で金利低下>

 世界的な株安地合いの中で国内市場でも債券買いの流れが続いている。国債先物中心限月9月限は短期筋からの買い戻しが優勢で36銭高の138円83銭まで買われた。現物市場では各ゾーンで軒並み金利が低下。長期金利は一時、前日比2bp低下の1.285%と、3月25日以来の低水準となった。余剰資金を抱える金融機関の運用難は深刻だという。

 みずほインベスターズ証券、マーケットアナリストの井上明彦氏は「ここまでの金利低下を主導してきたのは明らかに国内銀行勢だ。期間の短いゾーンから買い始め徐々に長い債券にシフトしていく場合、超長期を買う際には中期債を売るので、前日の動きなどその典型といえる」とみている。

 ただ、井上氏は「今月は債券が売られる理由がないといいながらも、ここまで金利が低下するとさすがに戻り売りは出やすくなる」とし、銀行勢の買いのクライマックスは近づいている、との見方をしている。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集 宮崎亜巳)

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