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与謝野担当相の消費税増税の説明に反発の声=民主党部会

 [東京 9日 ロイター] 与謝野馨経済財政・社会保障税一体改革担当相は9日、消費税の段階的な引き上げを明記した社会保障改革案について、民主党の社会保障と税の抜本改革調査会・税制改正プロジェクトーチーム合同総会で説明し、消費税の引き上げ時期は、最も早くて2013年9月以降だと述べ、衆議院議員の任期中に消費税増税は行わないとした民主党マニフェスト(政権公約)との食い違いはないと訴えた。

 さらに、社会保障の安定財源確保のため、所得税法の付則104条で、消費税を含む税制抜本改革を「平成23年度までに必要な法制上の措置を講じる」ことが義務付けられていると指摘。「これは政府を拘束するだけでなく国会も拘束し、(構成員である)議員も一定程度拘束する」と述べ、「(消費税増税の)実施時期は別にして、法的整備を今年度中に行う義務がわれわれにはある」と説明。同担当相は「(集中検討会議で決めた)社会保障改革案は、これまでの民主党公約、民主党の社会保障・税抜本改革調査会の提言に沿ってまとめたもので、改革案は、民主党がこれまで主張してきたことを全て網羅的に取り入れた」と強調した。

 これに対して民主党議員からは一斉に反論の声が上がり、口火を切った松原仁議員は「われわれは消費税増税はしないと(国民に)訴えてきた。デフレ下で景気が停滞する状況のなか、消費税を引き上げることは大きな過ちであり、民主党が主張してきたことではない」とまくしたてた。

 また、吉田おさむ議員が「これほど大事なことを、辞める人(菅直人首相)が責任を持てるはずがない」と述べ、民主党の次期代表を縛りかねない決定に異論を唱えると、会場からは同調する声がわき上がった。

 しかし、与謝野担当相は一歩も譲らず、「2日の改革案は手続きを踏まえて決めたこと。総理の去就云々で議論することは理解できない」と反論。第1次補正予算案成立に向けて民主党と自民・公明が交わした合意も引き合いに出し、「党対党の約束、民主党全体の約束、(やり遂げたいとする)菅首相の信念、これらを総合判断してもらいたい」と訴えた。

 その上で与謝野担当相は「このまま日本の財政を放置すれば、必ずソブリンリスクが発生する」と述べ、それに伴う金利上昇は中小企業や住宅ローンを抱える個人の負担になることを強調し、金利上昇が経済に打撃を与えると訴えた。

 また、消費税増税が経済に悪影響を与えるとの懸念を持つ議員が、付則104条に明記された法的整備の条件として「景気回復に向けた集中的な取り組みにより経済状況を好転させること」が前提になっており、経済は好転していないと詰め寄ると、与謝野担当相は「一気に消費税を上げるのは景気に大きな影響があるのは、その通りだ」としながらも、経済情勢について「今年(度)は、おそらく成長率がゼロ%ないしはマイナスになると思っているが、これは需要側の問題が発生したのではなく、むしろ供給側の問題が発生したためだ」と説明。

 景気循環的に妥当な消費税引き上げ時期について与謝野担当相は「景気が頂点に達した時に導入すれば、景気の下降局面に加速度的な影響を与える。景気が上昇局面に入るときに税を上げるというのが正しいとわれわれは思っている」とも語り、国際通貨基金(IMF)報告などでも来年度経済成長率が2%以上と見込まれている事実を披露した。

 その上で与謝野担当相は「名目(成長率)を上げろということは、実際の経済が健康に大きくなっている話とは違う。経済成長に伴うインフレ率は容認されても、経済成長を伴わないで、ただインフレ率が上がっていくというようなことは政治家が選択してはいけない道だ」と持論を展開。日銀の金融政策にも触れ、「大幅な量的緩和に踏み切った」とし、「これ以上、日銀に法律の範囲で何をさせるのか、私には考えつかない」と現状の日銀のスタンスを擁護した。

 約40分のやりとりを経ても、異論を唱える一部議員からは「全くおかしい。私のことを聞けという感じだ。絶対つぶす」(吉田おさむ議員)との声が聞かれるほどで、消費税の引き上げ幅と時期が唐突に示されたとの懸念は払しょくできなかった。

 (ロイターニュース 吉川 裕子;編集 山川薫)

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