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ギリシャ議会が中期財政再建法案を可決、関連法案も可決見通し

 [アテネ 29日 ロイター] ギリシャ議会は29日、歳出削減や増税、国有資産売却を盛り込んだ5カ年の中期財政再建計画法案を賛成155票、反対138票で可決した。可決により、国際通貨基金(IMF)・欧州連合(EU)による120億ユーロ(173億ドル)の第1次支援第5弾融資に向け大きく前進した。

 6月29日、ギリシャ議会は、5カ年緊縮財政法案を、賛成155・反対138の賛成多数で可決した(2011年 ロイター/Giannis Liakos)

 賛成票が反対票を確実に上回ったことで、30日に採決が予定されている緊縮措置の具体策を定めた関連法案も可決されるとみられている。

 ただ債務危機の状況は依然として深刻で、社会不安も高まっていることから、今週法案が無事に可決されても、ギリシャがIMF・EUとの合意通り、緊縮財政措置を確実に実施できるかは依然として不透明感が強い。 

 大幅な歳出削減や増税による本格的な痛みはこれから表れるとみられるが、ギリシャ国民はすでに緊縮策に強く反対しており、この日も議会周辺ではデモ隊と警官による激しい衝突が続いた。デモ隊は警官に石を投げ、警官は催涙ガスを発射。建物内では火災が発生した。

 一部ではこん棒などで武装したデモ隊が、財務省ビル玄関の窓ガラスを叩き割ったほか、同ビル内にある郵便局には火が放たれた。

 法案可決を受け、メルケル独首相は「勇敢な」採決と賞賛。一方ショイブレ独財務相は「今後数年にもわたっても決意を維持し、これら(緊縮措置)を実施することが重要だ」と強調した。

 ファンロンパイEU大統領とバローゾ欧州委員長も「非常に深刻なデフォルトのシナリオから、不可欠な一歩後退を果たした」との共同声明を発表した。

 ただ、エコノミストや投資家の多くは依然として、ギリシャが中期的にはデフォルトに追い込まれるとの見方を示している。

 29日の金融市場は、ギリシャがソブリン債務のデフォルトを回避できるとの安心感から上昇。投資家は米国債などの安全資産からシフトし、世界の株式市場は3日続伸した。ユーロは0.4%高の約1.4430ドルをつけた。

 ただ、次の支援が必要になるまでにギリシャが緊縮財政措置を実行できるかは依然として不透明であり、楽観的な見方は後退した。

 コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ・マーケットアナリスト、オマー・エシナー氏は「ギリシャ国民の怒りが高まっていることを踏まえると、緊縮財政措置の効果的な実施に関してまだ多くの疑問が残っている」と指摘した。

 与党・全ギリシャ社会主義運動(PASOK)で反対票を投じたのは1人にとどまり、パパンドレウ首相は同議員を直ちに党から除名した。また少なくとも野党議員の1人が賛成に回った。PASOKは定数300議席のうち154議席を握っているが、この日の採決では中道右派5人の議員で構成する分派グループの棄権にも支援された。

 30日の採決で法案が可決されれば、ユーロ圏財務相は7月3日の会合で、第5弾融資の実施を承認する見通し。

 融資の実施が決まれば、今後の焦点は第2次支援に移る。第2次支援は、民間の「自発的な」ギリシャ国債ロールオーバー(借り換え)で300億ユーロ前後、ギリシャ国営企業の民営化で同程度、さらに推定550億ユーロの追加支援で構成されるとみられている。

 銀行筋によると、フランスのロールオーバー案について、格付け会社はデフォルトや信用事由を発生させないとの判断を示すと当局者と民間銀行は確信している。ただ格付け会社はこれまでのところ、フランスの提案に関して正式な見解を表明していない。

 また格付け会社に加え、ロールオーバー案をめぐっては、欧州中央銀行(ECB)の支持を取り付けることも不可欠となる。

 独紙ウェルトによると、シュタルクECB専務理事は、ギリシャ問題を「ブレイディ債」を使って解決する構想について、EUの非救済条項の原則に違反する可能性があるとして、これを受け入れない考えを示した。

 専務理事は「(ブレイディ債という解決策)は不適格だ。EU条約第125条の非救済条項に違反するだろう」と語った。

 この構想は、銀行が保有するギリシャ国債をEUが保証する債券と交換可能にし、投資家にギリシャへのエクスポージャーの維持を働きかける手段として浮上している。

 ECBのビーニ・スマギ専務理事は新聞のインタビューで、フランスの案について「銀行団が行うシンジケートローンのようだ」と指摘。

 「興味深い提案だが、クレジットイベントを招かないという、特定の枠組みに整合するのか確実にする必要がある」と語った。

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