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遺言準備など浸透度低い、相続額中央値500─1000万円未満=調査

 [東京 22日 ロイター] 野村総合研究所(NRI)が実施した「相続に関する実態調査アンケート2011」によると、自分の資産の相続において、遺言などを準備したり、生前贈与を考えたりしている人は依然として少ないという状況が明らかになった。

 7月22日、野村総合研究所が実施した調査によると、自分の資産の相続において、遺言などを準備したり、生前贈与を考えたりしている人は依然として少ないという状況が明らかになった。写真は昨年3月、都内で撮影(2011年 ロイター/Toru Hanai)

 また相続額の中央値は500万円以上1000万円未満で、3000万円以上を相続した層は、回答者全体のわずか14.1%にとどまった。

 アンケートは今年5月にインターネットを通じ、全国の40─79歳の男女、18万6215人を対象に実施。回答者は4万8865人。

 調査によると、自身の資産の相続について、60代以上では過半数が、家族や子供への相続について考えていることがわかった。ただ、遺言等を用意していない回答者が全体の9割超を占め、そのうち約5割は準備する必要があると感じている。「遺言」を用意していたのは4.2%、「エンディングノートやマイライフノート」を使った準備は2.3%だった。

 回答者全体のうち、相続で資産(金融資産、不動産など)を受け取ったことのある人は32.7%で、相続した額の中央値は500万円以上1000万円未満だった。また3000万円以上を受け取った層は回答者の14.1%だった。

 また今回の調査では、回答者全体のうち「父母どちらか(両方も含む)から相続経験があり、相続資産が父母合計で3000万円以上、個人保有金融資産1000万円以上、年齢50─79歳」の1000人(=アッパー相続層)を抽出し、相続時の状況も調査している。

 それによると、親の生前に相続額を把握していた人の割合は過半数を占め、相続額が高いほど把握率が高くなっていることがわかった。28.8%が父または母から生前贈与を受け取ったことがあり、約8割は40代までに生前贈与を受けていることもわかった。

 一方、親から相続が発生したときに困った(知りたかった)内容について、アッパー相続層は「特に知りたかったことはなかった」が43.7%を占めたものの、残りの層では「税制」や「不動産について」、「金融資産の査定について」が上位にランクした。相続が発生した際に活用した情報源については「専門家に相談した」や「雑誌や書籍」、「金融機関のホームページ」が上位にランクした。

 また専門家や金融機関に相談したアッパー相続層の相手として上位に入ったのは「税理士」が56.9%で断トツのトップ。次いで「弁護士」と「司法書士」の19%で、金融機関は15%の「銀行」がトップで、「信託銀行」6%、「証券会社」5.6%と続いた。

 相続資産を父母別で見ると、ともに「預貯金」が最も多く、次いで「居住用不動産」、「株式」となった。

 「平成23年度税制改正大綱」では相続税の基礎控除額を現行の5000万円から3000万円への引き下げや高額の相続に対する税率の引き上げが方針として打ち出されたほか、次世代への資産移転を促進させるため、生前贈与の控除枠拡大や税率軽減なども併せて盛り込まれている。

 NRIは、10年12月に閣議決定された「平成23年度税制改正大綱」が施行されれば、より幅広い層にとって、相続は「生前にいかに準備しておくか」が重要になってくると予想。早い段階から相続の準備をサポートしていく仕組みを充実させることが今後重要になっていくだろう、としている。

 (ロイターニュース 岩崎 成子)

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