for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

世界株安、日経平均は5カ月ぶり安値:識者はこうみる

 [東京 5日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は大幅反落。前日の米欧株式が大幅安となったほか、アジア株も急落するなど世界同時株安の様相となった。リスク回避の流れの中で、東京市場では全面安となり、日経平均は終値で3月18日以来の9300円割れとなった。

 8月5日、欧米市場で大幅な株安となった流れを受け、東京市場も全面安。写真は都内の株価ボード。昨年4月撮影(2011年 ロイター/Issei Kato)

 市場関係者の見方と、今後1カ月の日経平均レンジ予想は以下の通り。

●ファンドのアンワインド巻き込む、徐々に買い場に

<みずほ証券 エクイティストラテジスト 瀬川 剛氏>

 ファンドの償還請求期限が8月15日に迫っている。期末にあたる9月末から45日前までに請求しなければならないからだ。このため8月というのは株価が下がりやすい傾向がある。

 今回は世界経済の後退懸念がきっかけになり、アンワインドの動きがパニック的に強まってる。

 ただ未曾有(みぞう)の被害をもたらした東日本大震災後でも日経平均.N225は終値でみて8600円までしか下がらなかった。あと1、2回はアンワインドの波が来るかもしれないが、徐々に買い場の水準に来ていると冷静に判断すべきだろう。確かに世界経済には不安が強くなっているが、原油価格は低下しインフレ懸念も収まってきているという面にも目を向けるべきだ。

 ◎今後1カ月の日経平均レンジ予想 9200円─1万円

●セリングクライマックスは近い、米政策が反転のきっかけに

<岡三証券 日本株情報グループ長 石黒英之氏>

 世界的にリスクオフの流れとなっており、日経平均は一時9300円を割り込んだ。ただ、直近高値からすでに10%近く急落しており、セリングクライマックスは近いとみている。足元では世界経済の後退懸念を背景に不安感が広がっているが、次第に政策期待に変わり、株価は反転するだろう。

 市場が注目しているのが米連邦準備理事会(FRB)の次の一手だ。欧州ではギリシャ追加支援、日本では為替介入や追加金融緩和を実施する一方、米国はまだ対策を出していない。QE3やHIA(米本国投資法)など米国の政策が反転のきっかけとなりそうだ。9日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)が前倒しで開催される可能性もあろう。

 ◎今後1カ月の日経平均レンジ予想 9000円─9800円

●米金融緩和の催促相場に

<SMBCフレンド証券 シニアストラテジスト 松野利彦氏>

 米国の政策催促相場になってきた。7月米雇用統計が悪くても、9日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加緩和期待が高まる可能性がある。日米欧で金融緩和状況が強まれば過剰流動性が相場反転の原動力になる。

 日本株もボリュームを増加させながら下落したことでセリングクライマックスの感触がある。日本は欧米に比べ景況感がまだ堅調なことから、資金が流入する期待も大きい。

 ◎今後1カ月の日経平均レンジ予想 9200円─1万0200円

●雇用統計次第では一段安の可能性も

<ベイビュー・アセット・マネジメント 運用第一部長 佐久間康郎氏>

 今晩の米雇用統計が事前予想を大幅に上回らない限り、短期的な株価反転の可能性は乏しい。ここ2カ月くらいリスクオフモードが続いており、雇用統計次第では一段安の可能性もあろう。前日の米国株は具体的な材料のない中での大幅安であり下値不安はくすぶる。

 ただ投資家のリスクオン・オフは循環的であり足元はオフモードの最終局面になる可能性がある。長い目で見れば日経平均が9300円水準でとどまるとは思えず、徐々に戻りを試すのではないか。国内外の景気の急回復は想定していないが、経済動向に対する市場の期待値が下がり、海外の経済指標が予想よりも上振れるようになれば本格的な反転のきっかけになるとみている。

 ◎今後1カ月の日経平均レンジ予想 9100円─9900円

●米企業業績は底堅く、株価は下げ止まる

<SMBC日興証券 国際市場分析部部長 河田剛氏>

 足元で米景気を判断しにくいためリスクを落として状況をみる展開だ。来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)などもあり、米政府のアクションなどが注目される。ただ、米国は弱いマクロ経済指標が続いていても、企業業績が底堅いので株価も(さらに)大きくは崩れず、下げ止まるだろう。一方、きょうは日本株が大きく下落しているが、割安感があるので日経平均の下限は9000円付近とみている。株安を起点に為替が再び円高に振れるという「負のスパイラル」にはなりにくい。

◎今後1カ月の日経平均レンジ予想 9000円―1万円。

●日本株の下げは欧米ほど大きくない

<ソシエテ・ジェネラル証券 グローバル・エクイティ部長 久保昌弘氏>

 (世界的に)景気回復の見通しが少し怪しくなってきたとの認識に変わっただけで、それほど悲観はしていない。欧州の財政懸念問題に関し、日本は米国市場ほど受けないとの見方に変わりはない。日本株はこの1カ月間、世界で最もパフォーマンスが良かった。東日本大震災により他の主要国に先駆けて下げていたので、その分、あまり下げないとも考えられる。

 ただ目先、日経平均の9000円割れはあると思う。日本固有の要因で下げていく展開ではなく、欧米に従って下げる。欧米が10%下げれば日本も5―8%下げるイメージで、欧米ほど下げは大きくないといった程度だ。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でどのような対策を打ち出すかにもよるのではないか。足元で期待インフレ率が低くないのでQE3(量的緩和第3弾)は考えにくい。

◎日経平均の予想レンジ:8800―9500円

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up