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米グーグル、モトローラ・モビリティを9600億円で買収

 [ニューヨーク 15日 ロイター] 米グーグルGOOG.Oは、通信機器大手モトローラ・モビリティ・ホールディングスMMI.Nを現金約125億ドルで買収すると発表した。自社の携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」の利用拡大を目的に、グーグルとしては過去最大規模の企業買収を行う。

 8月15日、米グーグルは、通信機器大手モトローラ・モビリティ約125億ドルで買収すると発表した。「アンドロイド」利用拡大を目的に、グーグルとして過去最大規模の企業買収に乗り出す。写真は同日、ニューヨークで(2011年 ロイター/Brendan McDermid)

 買収額は1株当たり40ドルで、モトローラ・モビリティの12日終値に63%のプレミアムを上乗せした水準。

 関係筋によると、グーグルが買収をとりやめた場合、同社はモトローラ・モビリティに25億ドルを支払う。モトローラ・モビリティが買収をとりやめた場合は、グーグルに3億7500万ドルを支払う。これはそれぞれ、買収額の20%と3%に相当する。

 グーグルは2011年末、もしくは2012年初旬には買収を完了させ、その後はモトローラ・モビリティの事業を独立して運営するとしている。

 BGCパートナーズのアナリスト、コリン・ジリス氏は「今回の買収は、グーグルが(アップルAAPL.Oのように)ハードウエアとソフトウエアの双方の事業を展開したいと考えていることを示している」と述べた。

 発表を受け、モトローラ・モビリティの株価は米株式市場序盤の取引で57%高で推移している。

 ある関係筋は、グーグルが、破たんした通信機器大手ノーテル・ネットワークスの特許の入札でマイクロソフトとアップルに競り負けたことを受け、モトローラ・モビリティ買収に動いたと指摘。そのうえで「特許売却以上のものだ。明らかにグーグルにとって戦略シフトを超えるもので、非常に重要」との見方を示した。

 マイクロソフトとアップルは共同でノーテルの特許を取得している。

 モトローラの最大株主であるカール・アイカーン氏は声明で、グーグルの買収は、モトローラ・モビリティの全ての株主にとって好ましいとして歓迎する意向を示した。

 同氏はこれまで、ワイヤレス技術への関心が大幅に高まるなか、モトローラに特許ポートフォリオの分離を検討するよう迫ってきた。

 今回の買収で、携帯端末市場の業界地図は大きく塗り替わる。グーグルは業界最大規模の特許を手にしたことになる。

 市場では、他の携帯端末メーカーの間でアンドロイド離れが進めば、マイクロソフトMSFT.Oの「ウィンドウズ・フォン」の利用拡大が進むとの見方が浮上。

 アップルの攻勢にさらされているノキアNOK1V.HEやリサーチ・イン・モーションRIM.TORIMM.Oも、買収の標的になるとの観測から、株価がそれぞれ17%、9%以上上昇した。

 グリニッジ・コンサルティングのフレッド・フエット氏は「グーグルはハードウエア分野でルビコン川を渡った。グーグル社内には、インターネットの中核機器の不足とスピードに不満があったのだろう」と述べた。 

 グーグルのラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会議で「モトローラには強力な特許資産があり、これにより、アンドロイドをマイクロソフト、アップルなどの反競争的な脅威から守ることができる」と述べた。

 <競合他社の動き>

 野村証券のグローバル・テクノロジー・スペシャリスト、リチャード・ウィンザー氏は「他の携帯電話メーカーが権利を奪われたと感じるリスクがある。モトローラは出遅れている。アンドロイド連合全体が崩壊する恐れもある」と指摘した。

 ただペイジCEOは、モトローラ・モビリティは別会社として運営すると説明。台湾の宏達国際電子(HTC)2498.TWや韓国のLG電子066570.KSなど他の競合メーカーにも、アンドロイドを同じように提供するとしている。

 韓国のサムスン電子005930.KSは今回の買収を歓迎すると表明。ただ、一部のアナリストは、これは建前にすぎず、競合メーカーはアンドロイドへの過度の依存を避けるのではないかと分析している。

 <テレビ事業>

 グーグルは今回の買収で、モトローラのセットトップ・ボックス事業も獲得した。

 グーグルは、動画投稿サイトのユーチューブの買収などを通じ、有料テレビ業界を脅かす存在となっているが、買収を通じテレビ事業も強化されることになる。 

 <買収審査>

 グーグルは今回の買収について、米欧規制当局の承認を得られるとの自信を示しているが、法律の専門家の間では、買収の規模や、すでに同社の事業慣行に関する調査が進められていることを考えれば、通常以上に厳しい審査が行われるとの見方が出ている。

 ガベリ&Coのアナリスト、ヘンディ・スタノ氏は「全体として規制面の障害はないだろうが、簡単には行かないだろう」と指摘。

 ただ「今年末か来年初めの買収完了というシナリオは、現実的だと思う。モトローラー・モビリティーの事業は、グーグルの主力事業とは異なる。市場シェアも小さい」と述べた。

 複数の関係筋によると、買収アドバイザーは、グーグル側がラザード。モトローラ側のアドバイザーは、センタービュー・パートナーズとフランク・クアトロン氏率いるカタリスト・パートナーズ。

*内容を追加して再送します。

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