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止まらない短期債利回り低下、海外マネーは円転操作で流入継続か

 [東京 25日 ロイター] 日本の短期国債利回りの低下が止まらない。政府は24日に1000億ドル規模の基金創設を柱とする緊急円高対策を発表したが、外貨資金を円に転換して円貨で運用する円転操作が有利な状況は変わらず、かえって金利低下に拍車がかかった。

 8月25日、政府は24日に緊急円高対策を発表したが、外貨資金を円に転換して円貨で運用する円転操作が有利な状況は変わらず、かえって金利低下に拍車がかかった。都内で昨年9月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

 日銀が2008年に導入した補完当座預金制度により、流通利回りが0.1%を下回って推移することに対する抵抗感は根強いが、海外マネーが金利低下を主導する構図はしばらく崩れそうにない。 

 財務省が24日実施した3カ月物国庫短期証券(218回、11月28日償還)の入札結果は、募入最高利回りが0.0962%、平均利回りは0.0954%にそれぞれ低下した。17日入札の前回債(217回、11月21日償還)は最高利回りが0.1002%、平均は0.0982%だった。

 市場では「海外勢の需要を見越した業者が積極的な応札に踏み切ったため、事前に予想されたより堅調だった」(国内金融機関)との声が多い。

 大手金融グループの間では、国債利回りが0.1%を下回って推移することへの抵抗感が強い。補完当座預金制度で超過準備への付利金利が定められ、日銀当預に資金を寝かせておけば0.1%の運用利回りが期待できる。価格変動リスクを抱えながら同水準の国債に投資すれば、運用益どころか損失を被りかねないからだ。

 それでも金利反転の兆しがいっこうに見えない背景には海外勢の存在がある。

 財務省が毎週発表している「対外及び対内証券売買契約等の状況」によると、海外投資家の対内短期債投資は8月14日から20日の週の取得額が5兆4505億円と8月7日から13日の週に続いて5兆円の大台に乗せた。処分額を差し引いたネットベースでも2兆3100億円の「取得超過」と、前週の2兆9752億円に次いで過去最高規模を記録。「欧米市場の不安定化により円転操作が有利になり、海外マネーが流入しやすい状況が続いている」(市場筋)との指摘がある。

 政府は24日発表した円高対策で1000億ドルの基金を創設。「急激な円高の進行に対応するため、民間円資金の外貨への転換(円投)の促進により、為替相場を安定化させる」としたが、即効性が疑問視され、「短期マーケットで潮目を迎えるきっかけになるとは思えない」(東短リサーチの寺田寿明研究員)という。

 市場では「当面はヘッジファンドやアジアの中銀マネーが短期債市場に流入しそう」(セントラル短資の金武審祐総合企画部長)との見方が出ている。

(ロイターニュース 山口貴也、編集;伊賀大記)

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