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中国投資家がアイスランドで広大な土地取得計画、政府は承認に慎重

 [レイキャビク 30日 ロイター] アイスランド政府は、中国の投資家が国内で広大な土地を取得しグリーン・ツーリズムを展開する計画の承認に慎重な姿勢を示した。アナリストの間では、安全保障上の懸念の声があがっている。 

 土地購入を計画しているのは、中国の投資家のHuang Nubo氏。ヨーナスソン内相はロイターに、「この問題は多くの側面から慎重に検討することが必要だ」と述べ、広大な土地の外国人への売却や、天然資源の所有権の問題などを指摘した。 

 これまでのところアイスランド国内では、計画に対する懸念は広がってはいない。ただアナリストは、欧州と米国の間というアイスランドの戦略上のロケーションや、周辺国が資源を主張する北極圏の地理的状況から、安全保障上の問題は無視できないと警告している。 

 ブリュッセルの現代中国研究所の調査部門の責任者、ジョナサン・ホルスラグ氏は「このプロジェクトは民間によるものだろうが、土地から原材料、ノウハウに至る戦略的資産を海外から手に入れるという中国の政策目標に沿っている。中国の対外政策では、民間投資家が国有企業による大規模プロジェクトの先駆けとなるケースが多い。これらの場合、新たに取得した権益保護のため、政府がより積極的な外交を展開している」と指摘した。 

 現地の市長によると、Huang Nubo氏は、北東部グリムスタジールの300キロ平方メートルの土地取得について、すでに4人の土地所有者と仮合意している。取得金額は10億クローナ(880万ドル)。

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