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米アップルがiPhone「4S」発表:識者はこうみる

 [クパチーノ(米カリフォルニア州)/東京 4日 ロイター] 米アップルAAPL.Oは4日(日本時間5日)、高機能携帯端末(スマートフォン)「iPhone(アイフォーン)」の新機種「4S」を発表した。日本では、ソフトバンク9984.Tに加え、KDDI9433.Tが初めてアイフォーンを販売する。

 10月4日、米アップルは「iPhone(アイフォーン)」の新機種「4S」を発表(2011年 ロイター/Robert Galbraith)

 アップルのiPhone「4S」発表に関する識者の見方は以下の通り。

 ●インフラ競争激化、ソフトバンクからKDDIに顧客流出も

 <コスモ証券 アナリスト 川崎朝映氏>

 新型「iPhone(アイフォーン)」の発売は、短期的には、KDDI9433.Tにはプラスで、ソフトバンク9984.Tにはマイナス。まだ両社の端末価格や料金体系などが判明していないが、ともに競争力ある料金プランにしないと顧客を獲得できない。ソフトバンクは「電波がつながりにくい」という印象が強く、会社側が改善努力をしてはいるが、悪いイメージはすぐには払しょくされない。その意味で、通信環境が良いとされているKDDIに少なからず顧客が流れるだろう。

 ただ、KDDIはスマートフォン(高機能携帯端末=スマホ)のユーザー数が少ないからこそ、電波がつながりやすいという話もある。アイフォーン発売後に顧客が増えたら、今まで通り、つながりやすさを維持できるのかどうかは疑問が残るところだ。これからの競争軸は、端末だけでなく、ネットワークインフラにもますます目が向けられ、より総合力が問われそうだ。

 ●KDDIに「止血」効果、時間稼げるソフトバンク

 <SMBC日興証券 アナリスト 森行眞司氏>

 期待が盛り上がり過ぎたためか、現行モデルに比べて新型「iPhone(アイフォーン)」は進化が少ない印象で、外観も変わらない。マイナーチェンジにとどまったことで、ソフトバンク9984.Tには安さを魅力に現行モデルを継続して売れる機会が残された。

 今回新たにアイフォーンを販売できるようになったKDDI9433.Tにとっては、顧客流出という「出血」を止める好機になる。両社が売ることで、スマートフォン(高機能携帯端末=スマホ)市場全体が活性化することになり、従来型の携帯からスマホへの移行が進むだろう。

 発表前は、電波がつながりにくいイメージのあるソフトバンクからKDDIに客が流れるとみられていたが、ソフトバンクへのダメージは発表前に懸念していたほど大きくならない可能性が出てきた。新型が現行モデルの外観と同じでスペックも大差がないため、顧客が乗り換えに慎重になることも考えられる。ソフトバンクは通信環境の強化に向けて設備投資も決めているし、総務省が来春にも割り当てる「プラチナバンド」と呼ばれる良質な周波数帯を獲得できる可能性もあり、ソフトバンクにとっては結果的に、電波改善のための時間稼ぎにもなりそうだ。

 ●株価下落はおかしな現象

 <WPスチュワートのポートフォリオマネジャー、マイケル・ウォーカー氏>

 期待通りの内容だが、株価は下げた。おかしな現象で、これがもし「iPhone5」という名前だったら株も大丈夫だっただろう。一部の人は「4S」という名前に落胆したのではないか。われわれは全く失望していない。まさに予想通りだったが、来年はプリペイド市場をより注意して見ておく必要がある。

 ●iPhone5と呼んでもいいほどの改良

 <モーガン・キーガンのアナリスト、タビス・マコート氏>

 iPhone5と呼んでもいいほどの改良はあった。音声認識サービスは、発表会で報告された通りに機能すれば、非常に素晴らしい。

 音声認識はグーグルやブラックベリーの端末にはかなり前から採用されているが、アップルはそれをはるかに使えるものにするだろう。

 一度に3機種を市場に投入するのは初めて。それによって3GSの価格を下げることになり、今や無料になった。

 ●現行デザインで中身一新は実務的で賢い

 <クリエイティブ・ストラテジーズ、ティム・バジャリン社長>

 iPhone3Gを持つ人は新機種を欲しくなるだろうし、iPhone4を持つ人も、特に「Siri」(音声認識機能)などすべての新しい機能を欲しくなると思う。

 現行デザインのまま中身を一新するのは、はるかに実務的で賢いやり方だ。

 誰もスティーブ・ジョブズ氏(前最高経営責任者)の代わりになれない。彼には比類なカリスマ性とステージ上での存在感がある。ただ結局、彼の存在が重要だとはいえ、本当に気になるのは彼が何を言ったかだ。その意味では、アップルはうまくやった。

 ●音声認識機能Siriは素晴らしい

 <スターン・アギーのアナリスト、ショー・ウー氏>

 全体的には、若干の失望があるかもしれない。HTC2498.TWやサムスン電子005930.KSなど多くの競合メーカーから出ているような、もっと大きなスクリーンが期待されていた。ソフトの観点から言えば、いくつかの実に大きな改良がなされた。Siriは実に素晴らしい。

 ユーザーの多くは、例えば運転中なら、Eメールを読むような簡単な動作にそれを使いたいだろう。極めて理にかなっている。これこそ、ユーザーが本当に欲しい機能だ。

 ●軽い失望、それでも数百万台は売れる

 <BGCパートナーズのアナリスト、コリン・ギリス氏>

 1年4カ月も待って手にしたのは、A5プロセッサを搭載した従来のiPhone4だ。軽い失望だが、それでも数百万台は売れるだろう。ソフトウェアやデュアルコアA5プロセッサなど大きな改良点は多い。

 ●ソフトウェア開発者には新たな道

 <NPDのアナリスト、ロス・ルービン氏>

 アップルはデザインで有名なハードウェアの会社として知られているため、新たな仕様やLTE(高速通信規格)をサポートするとの期待感があった。今回の機種では、より高画質の写真や映像が撮れるようになった。新たなグラフィック性能のおかげで、ソフトウェア開発者には新たな道が開けた。アップルと他社が差別化できるのは、使用可能なアプリケーションの質が高いことだ。

 ●Siriの導入で機能水準が向上

 <ガートナーのアナリスト、バン・ベーカー氏>

 外見が変わると期待していた人たちはがっかりするだろうが、これはハードウェア面での革新。Siriの導入で機能水準が極めて上がった。

 ●素晴らしい機種だが市場に混乱

 <ハドソン・スクエア・リサーチのアナリスト、ダニエル・アーンスト氏>

 iPhone5を待っていただけに、ユーザーらはがっかりしている。複雑なのは、5で搭載されると思われていた機能が4Sに搭載されていることだ。新しいチップが採用され、新しいクラウドサービスも利用可能になっている。

 残念なことに4Sと名付けられたため、市場はリリーススケジュールに遅れが出ているのではないかと感じてしまう。

 5の発表を期待していたユーザーは大勢いて、その中には思いとどまる人が出てくるだろう。素晴らしい機種に見えるが、市場に混乱を与える可能性もある。

 ●高速化は驚きだが衝撃的とまでは言えない

 <エンガジェット・ブログ編集長、ティム・スティーブンス氏>

 ユーザーらは確実に失望している。人々は新作発表に向けて過度に興奮し、さまざまな憶測も流れていた。しかし、4Sは非常にいい商品に見える。多くの人を満足させるはずだが、ユーザーらはきっとiPhone5を待ち続けるだろう。

 「Siri」は素晴らしい。交通渋滞に巻き込まれたときに効果を発揮するだろう。法に触れる心配なく、運転中にテキストメッセージを読むことができる。革新的かどうかは私にはよく分からない。

 驚かせてくれたのは、4Sが高速化したA5プロセッサーを採用したこと。iPhone4より高速化した点には驚いたが、衝撃的だったとまでは言えない。

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