[ミラノ 28日 ロイター] イタリア財務省が実施した10年物国債(2022年3月償還債)入札は、利回りが6.06%と前回の5.86%から上昇し、ユーロ導入以来、最高となった。
合わせて実施した3年債(2014年7月償還債)入札は、利回りが4.93%と前回の4.68%から上昇し2000年11月以来の高水準となった。
発行総額は79億4000万ユーロで、政府の目標(52億5000万─85億ユーロ)の範囲内に収まった。
ユーロ圏加盟国の入札としては欧州首脳会議以降で初となり、市場で注目されていたが、10年債の利回りが節目となる6%を上回ったことで、投資家心理が悪化したとみられ、イタリアの株式相場は下げ幅を拡大した。
DZバンク(フランクフルト)のアナリスト、クリスティアン・ライヒェルター氏は「イタリアに債務問題を解決するよう促す声が高まっている。市場はイタリア政府の姿勢に懐疑的で、今後も入札で利回りが上昇する可能性は排除できない」と述べた。
10年物のイタリア国債と独連邦債の利回り格差は入札後、378ベーシスポイント(bp)と、前日比約10bp拡大した。