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パナソニックは通期4200億円の最終赤字へ、人員削減を加速

 [東京 31日 ロイター] パナソニック6752.Tは31日、2012年3月期の連結最終損益(米国会計基準)を4200億円の赤字(従来予想は300億円の黒字)に下方修正し、2年ぶりの最終赤字に転落する見込みだと発表した。

 10月31日、パナソニックは、2012年3月期の連結営業利益予想を前年比57.4%減の1300億円に下方修正すると発表。写真は都内の家電店で20日撮影(2011年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 前年同期は740億円の黒字。薄型テレビ工場の処理など構造改革費用を5140億円(従来計画1100億円)に積み増すことが響く。過去最大の当期純損失を計上した02年3月期の4278億円に次ぐ最終赤字額になる。

 三洋電機との重複事業の解消だけでなく、薄型テレビと半導体の事業でも人員削減を加速し、12年3月末までにグループ人員は35万人以下まで圧縮する。11年9月末の人員は36万0700人で、下半期で1万人超の人員削減になる。従来まで三洋との重複解消を中心に、13年3月期に35万人以下の規模に圧縮するとしていた目標を1年前倒しで実現する。

 <グループ再編前に構造改革を「やり切る」>

 同日夕に記者会見した大坪文雄社長は、三洋電機とパナソニック電工との統合で12年1月にグループ再編の新組織を発足するのを前に「構造改革を積み残しなくやり切る」と強調した。従来まで三洋電機との重複解消の費用として今期の構造改革費用は1100億円を計画していたが、これに薄型テレビ事業と半導体事業の処理費用などを追加して5140億円まで積み増す。11年度に構造改革をやり切れば、13年3月期の増益効果は1460億円になるとの見通しを示した。

 また上野山実常務は記者会見で、今期の構造改革費用について「やれる分はすべて織り込んだ」として追加計上はないとの見通しを示した。三洋電機の関連資産(のれん代や無形固定資産)の減損処理については「(統合によって)企業価値をき損する認識はない」と述べて否定した。テレビ事業の縮小に伴う繰り延べ税金資産の取り崩しについても「今回の処理は子会社で発生するので取り崩しは発生しない」との見通しを示した。

 <テレビと半導体の改革費用3240億円>

 今期に実施する構造改革の積み増し分4040億円のうち、薄型テレビと半導体の改革費用で3240億円。テレビ事業の改革費用は2650億円で、パネルの生産体制を再編し、プラズマ製造は尼崎第2工場(兵庫県尼崎市)、液晶パネル製造は姫路工場(兵庫県姫路市)のそれぞれ1拠点に集約する。プラズマの最新鋭の尼崎第3工場の生産は休止して減損処理するほか、尼崎第1工場も設備の中国・上海への移転を中止して稼働を停止する。液晶パネル製造は、茂原工場(千葉県茂原市)の工場を休止。液晶で唯一の生産拠点となる姫路工場は一部で減損処理する。

 薄型テレビ事業の縮小に併せて進める半導体事業の工場再編で、590億円の費用を今期中に計上する。システムLSIの最先端工場の一部を減損するほか、一部を外部委託に切り替えて「ファブレス化」を進める。生産品目はセンサーやパワー半導体などに集中する。

 テレビ事業を縮小することで、今期の薄型テレビ販売計画は1900万台(従来2500万台)に下方修正する。今期で4年連続赤字の見込みのテレビ事業だが、大坪社長は「来期は必ず黒字化する」と述べた。

 上野山常務によると、従来まで13年3月期には三洋統合などの構造改革費用で500億円を計画していたが、今期の積み増しの中に200億円を前倒し計上したため、来期は300億円程度になるとの見通しを示した。来期の処理費用は「販社統合などが残る」(上野山常務)見通しだという。

 <海外減速と円高で今期は減収減益に>

 12年3月期の連結業績予想は、売上高予想を8兆3000億円(従来予想は8兆7000億円・前年同期は8兆6926億円)に、営業利益予想を1300億円(従来2700億円、前年3052億円)に、それぞれ下方修正した。営業利益予想は、トムソン・ロイターエスティメーツによる主要アナリスト14人の予測平均2153億円を大幅に下回る。

 欧米の景気減速によるAV関連機器の販売減速や円高の進行で、従来の増収予想から一転して大幅な減収になる見込みで、営業利益も減益になる。10月以降の想定為替レートは、ドルを76円(従来想定83円)、ユーロを105円(同110円)にそれぞれ修正した。これにより年間の想定レートは、ドルが78円、ユーロが110円になる見込み。

 2011年4―9月期の連結業績は、売上高が前年比8.3%減の4兆0051億円、営業利益が同71.8%減の475億円、当期純損益が1361億円の赤字(前年同期は747億円の黒字)だった。欧米市場の景気減速や円高の進行で減収減益になったほか、三洋電機との統合や早期退職費用を含む構造改革費用1841億円を計上し、最終赤字に陥った。

 (ロイターニュース 村井令二)

*内容を追加して再送します。

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