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トヨタ、09年に世界の自動車メーカーで初の1000万台超販売を計画

 [東京 31日 ロイター] トヨタ自動車7203.Tは31日、2009年世界販売(ダイハツ工業7262.Tと日野自動車7205.Tを含む)は1040万台を計画していると発表した。1000万台の大台を超えるのは世界の自動車メーカーで初めて。

 8月31日、トヨタ自動車の渡辺社長が会見し、2009年世界販売は1040万台を計画していると発表(2007年 ロイター/Yuriko Nakao)

 これまでの過去最高は、米ゼネラル・モーターズ(GM)GM.Nによる1978年の年間販売台数955万台。トヨタは08年の世界販売計画を980万台としており、実現すれば08年にもGMが持つ記録を30年ぶりに更新する。

 都内で会見したトヨタの渡辺捷昭社長は、1040万台の計画実現に向けては、今春から始めた富士重工業7270.Tの米工場でのトヨタ車生産や、昨年稼動した米テキサス工場などが09年には本格寄与してくるほか、今年末以降もロシア工場やカナダ第2工場などが稼動すると説明した。

 計画値の内訳は、北米で310万台、欧州で145万台、アジアで190万台、日本で240万台など。とりわけ、アジアのうち中国について渡辺社長は「収益の柱の一つに育ってきた。さらなる収益拡大を目指す」と述べ、2010年代初頭に100万台レベルを販売する計画を示した。実現すれば、06年実績の30万8000台の3倍強、07年計画の43万台の2倍強に急拡大する。

 高級車ブランド「レクサス」については、06年に68カ国だった導入国数を2010年に76カ国に増やす計画を示した。渡辺社長は、世界でコンパクト車の比率が高まると見ているが、その一方で利益率の高い高級車ブランド「レクサス」の拡販を進めて収益性を高めたい考えを示した。

 2010年以降の計画について渡辺社長は、中国やインドなど新興国市場の拡大傾向が続いており、世界の自動車保有台数が2010年に10億台になるとの見方もあると説明したが、「(世界)市場の拡大に合わせて販売も拡大すればいいと思う」と述べるにとどめ、個別の数値目標には言及しなかった。

 トヨタは世界での生産・販売拡大に合わせ、海外拠点の自立化を進める計画。渡辺社長は、カローラの全面改良では日本からの応援要員が半減し、テキサス工場の立ち上げでは7割減少したとこれまでの成果を説明した。

 生産技術面では、最新技術の導入を進めている高岡工場(愛知県豊田市)のラインが今週から稼動したと説明し、今後建設される新工場や、既存工場に順次導入する計画を明らかにした。新型のスリムな溶接ロボットを導入するなどしてスペースを節約したほか、作業工程数や生産準備時間の短縮が進むという。

 一方で、渡辺社長は「株主還元を進める」と強調した。渡辺社長は、連結配当性向30%という目標について「3年程度で実現したい」と、初めて期限を設けた。配当性向の向上とあわせ、自己株式の取得を継続する考えも強調した。

 渡辺社長は昨日、いすゞ自動車7202.Tと日野自動車7205.Tの統合の可能性を否定しなかったことにも言及し「可能性がゼロではないということだが、今は考えていない」と語った。また会見後、記者団に対して「(スポーツカーを)ラインアップに入れておいた方がいい」と述べ、スポーツカーが得意な富士重との共同開発については「そういう考え方もある」と述べるにとどめた。

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