[ロンドン 1日 ロイター] 1日 ロイター] グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長は1日、サブプライム危機を受けた最近の市場の急変について、起こるべくして起きた出来事だとの認識を示した。
ロンドンのロイター本社で、ブラウン英首相らとともに行ったスピーチで述べた。
グリーンスパン前議長の発言要旨は次のとおり。
<現在の危機>
「サブプライム危機を受けた最近の市場の急変は、起こるべくして起きた出来事だ」
「先進国の金融システムは危機に瀕している。証券化された米国のサブプライムが世界の金融システムの弱点として表面化しなければ、他の金融商品や市場がその役割を果たしただろう」
<バブル>
「市場は早い時期からバブルに冒されていた。バブルは楽観論の高まりによって膨らみ、崩壊せざるを得ないところまで達した」
<不透明感がCDOに打撃>
「バブルが崩壊するのに伴い不透明感が市場を包み込み、ストラクチャード商品全体の価格に疑問が生じた。一部の証券がサブプライム・モーゲージ資産によって担保されていたことが明らかになったことで、投資家は見境なく短期の資産担保証券を売却し、米国債に資金を振り向けた」
「リスク資産に適切な価格をつけることができなかったため、リスクの拡散を招いた」
<証券化が米国外に問題を拡散>
「サブプライム・モーゲージの組成がもっと小規模であれば、問題も小さかっただろう。いずれにせよ、海外勢が保有していたサブプライム・モーゲージは少ないため、証券化されていなければサブプライムの損失は米国だけにとどまっていたに違いない。」
<サブプライムへの需要>
「米国における住宅ブームの最終局面では、ヘッジファンド、年金基金、投資銀行による高利回りの証券化されたサブプライムへの需要がサブプライム・モーゲージの需要を押し上げ、サブプライムの貸し手を後押しした」
<低インフレおよび長期金利>
「自分がFRB議長を務めていた時には、歴史を見れば、リスクプレミアムが低い時期が長期化した後には、状況が好ましくなくなることを認識していた。2006年に起きたように、世界全体でインフレ率や名目長期金利が1ケタになったことは記憶にない」
<信用危機>
「最近は、貸し手が、期間が長く質の低い資産に手を伸ばしていることは間違いない。これは好ましい兆しだ」
「9月19日に発行された米国の高利回り債は80億ドルに達し、それ以前の7週間の合計23億ドルを大幅に上回った。これは、8/9月のクレジット危機が終息することを示しているのだろうか。おそらくそうだろう」