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中国の日本株投資期待で株高/債券安が進展、一過性に終わる可能性

 [東京 26日 ロイター] 26日の東京市場は午後に入って、株高/債券安が一段と進展した。中国政府系ファンドが日本株投資を始める、との一部報道が材料視されて、先物主導で日経平均は400円超の上昇、債券先物は50銭を超える下落となった。

 11月26日、東京市場は午後に入って、株高/債券安が一段と進展した。写真は1月、東京で撮影(2007年 ロイター/Toru Hanai)

 報道は円買いの材料にもなったが、株式市場では、久しぶりの日本株買いの話題に飛びついた格好だ。ただ、その後、中国政府系ファンドは「日本や他の市場に投資するかどうか、まだ決めていない」とロイターに語っており、一過性の材料に終わる可能性もある。

 <久しぶりの明るい材料>

 東京株式市場は米株反発を好感し朝方から買いが先行。前場後半には香港株式市場のハンセン指数などアジア株が大幅高で始まったことで安心感が広がった。午後に入ると、中国政府系ファンドが日本株投資を始める、との報道で一段高。日経平均は一時400円を超える上昇となった。

 報道によると、1兆4000億ドル(約151兆2000億円)を超える中国の外貨準備の一部を運用するために設立された「中国投資有限責任公司」が日本株式への投資に乗り出す。9月末設立の同公司の資本金は2000億ドルで資金の約3分の1を海外の株式やファンドなどに投資するもようだという。

 「1万5000円台を回復して市場に安心感が出てきていたが、このニュースを材料に、先物を中心に買い戻しの動きが一層活発化したようだ」(東海東京調査センター、シニア・マーケットアナリストの矢野正義氏)という。

 <底入れには懐疑的>

 ただ、冷静な見方もある。SMBCフレンド証券、投資情報部次長の松野利彦氏は、中国の日本株投資について「隣の国だからといってどんどん買うというわけではないだろうし、日本株が投資対象としていいかどうかを判断するのはこれからであろう。きょうはいったん買い材料として好感されたが、持続的な買い主体として期待できるかは内容を確かめる必要がある」と指摘する。そのうえで「サブプライムローン問題は来年の方がもっと厳しいとの見方もあり、中期的な株式相場は依然不安定」とみている。

 別の準大手証券の担当者は「12月末の解約をにらんだヘッジファンドの売りもヤマ場は越えただろうがまだ続く可能性があり、日経平均に底入れ感は出ていない」と話す。

 <円債市場には達成感も>

 株高を受けて、円債は午後に入って急落。国債先物中心限月12月限は一時、前週末比69銭安の136円61銭まで下落した。市場関係者によると「急速な株高を受けて投機的な先物売りが進んだ」(外資系証券)という。株高に加え、日銀の国債買い切りオペの結果で「予想以上の需給の重さが明らかになった」(別の外資系証券)ことも売りの手掛かりになったとみられている。

 現物市場でも長期金利が前週末比7.5bp高の1.490%まで上昇。「水準感からも1.4%に近づくと高値警戒感が増し、戻り売りが出てきやすい」(後出の外資系証券)という。

 これまでほぼ一方的に相場が上昇、「前週に長期金利1.4%割れ、20年債利回り2.0%割れ、5年債利回り1.0%到達をみており、いったんは達成感が出ていた」(国内証券)だけに、下げ幅は比較的大きくなった。

 <トレンド変化にはならず>

 午後の株高/債券安のきっかけになった中国の日本株投資について、みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「日本株に対する集中投資と受け取られやすいが、どの程度の資金が日本株に入ってくるかは全くの未知数。日本株はようやく割高感が消えたものの、割安とはいえない状況の中で、期待先行で買われた格好」と話す。

 そのうえで「円債市場では、債券残高を落とせない投資家が多い。相場急落に対して投資家は様子見にならざるを得ない。来週の10年債入札では、表面利率の大幅な引き下げを回避したいとの思惑がある。国内3連休中、サブプライムローン問題の傷が深いと思わせる材料が出てきている。今回のニュースは利益確定や入札前の調整的な売りのきっかけに使われた印象だ」とし、株高/債券安は一過性、とみている。

 為替市場でも中国の投資話しに神経質になっている。朝方は株価以外に手掛かりが乏しく、方向感が定まらなかったが、昼ごろに中国の外貨準備に関する報道が材料視され、様相が一変。ドル/円は、108.80円付近から108.20円付近に下落した。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者)

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