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パキスタンのブット元首相暗殺、各地で暴動

 [ラワルピンディ 27日 ロイター] パキスタンの首都イスラマバード近郊のラワルピンディで27日、野党指導者ベナジル・ブット元首相(54)の選挙集会後に自爆攻撃が発生、ブット氏が暗殺された。

 12月27日、パキスタンの首都イスラマバード近郊のラワルピンディで野党指導者ブット元首相の選挙集会後に自爆攻撃が発生、ブット氏が暗殺された。写真は暗殺直前に撮影(2007年 ロイター/Mian Khursheed)

 暗殺を受け、国内各地ではブット氏支持者による暴動が発生。特にブット氏の出身地であるシンド州では暴動が激しくなっており、来月8日の総選挙は、延期の可能性が高まったとの見方が出ている。

 2度にわたって首相を務めたブット氏は、貧困層の間で絶大な支持を得ており、3度目の首相就任を目指していた。

 ブット氏は、ラワルピンディの病院で死亡した。父ズルフィカル・アリ・ブット元首相も79年に軍事クーデターで失脚し、ラワルピンディで処刑されている。

 警察によると、犯人は集会後、ブット氏に向け発砲。その後、爆弾で自爆した。爆発による死者は16人。

 ブット氏暗殺を受け、野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派「PML(N)」を率いるシャリフ元首相は、党として来年1月8日の総選挙をボイコットする意向を表明。

 シャリフ元首相は記者会見で「ブット元首相暗殺を受け、PML(N)は選挙をボイコットする。ムシャラフ(大統領)の前で自由選挙は不可能だ」と語った。

 シンド州の州都カラチでは、数千人が街頭で抗議活動を行っており、目撃者によると、少なくとも3つの銀行、政府機関および郵便局が放火された。発砲や投石があったとの情報もある。

 ブッシュ米大統領は「卑劣な行為を強く非難する」との声明を発表。

 「パキスタンの民主主義を踏みにじろうとする過激派によって行われた今回の卑劣な行為を、米国は強く非難する。犯罪にかかわった者は裁きを受けねばならない」とし、パキスタン国民が、ブット氏の遺志を継ぎ、民主化プロセスを継続することを望むと述べた。

 複数のアナリストは、今回の暗殺で総選挙の実施が難しくなったと指摘。ムシャラフ大統領が、事態掌握は困難として、再び非常事態宣言の発令が必要と判断する可能性があるとの見方も出ている。

 今回の暗殺事件をめぐっては、イスラム過激派による犯行との見方が出ているが、アナリストは、ブット氏の政敵やムシャラフ大統領に近い人間が関与した可能性も排除できないと分析している。

 ムシャラフ大統領は「ブット氏と多くの無実のパキスタン人の悲劇的な死をもたらしたテロ攻撃を最大限の言葉で」非難すると表明。総選挙については触れなかった。 

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、パキスタンの外貨建てソブリン格付けについて、ブット元首相の暗殺により同国の政情が不安定になった場合、現在の「Bプラス」から引き下げる可能性があることを明らかにした。

 S&Pのソブリン格付け委員会の会長、ジョン・チャンバーズ氏は、ロイターとの電話インタビューで「今回の暗殺で政情が不安定になれば格下げされる」と言明した。

 その上で「1月8日の選挙日程が維持されるかや、暗殺による波及効果が現れるかに注目することが重要になる」と語った。

 ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、パキスタンのブット元首相が暗殺された後も、経済政策の枠組みに影響がなければ同国のソブリン格付けは変わらないと指摘。

 ムーディーズによるパキスタンのソブリン格付けは「B1」で、アウトルックは「ネガティブ」。

 ブット元首相暗殺を受け、パキスタンのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは拡大。

 ニューヨークを拠点とするトレーダーによると、5年物CDSスプレッドは前日比100ベーシスポイント(bp)拡大し約480bpとなった。

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