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東芝の大幅高で株式センチメント改善期待、英銀国有化も後押し

 [東京 18日 ロイター] 18日の東京市場は、ドル堅調の中で小幅ながらも株高/債券安の展開。英中堅銀行ノーザン・ロックNRK.Lの国有化で短期筋がドル買いを仕掛け、ヘッジファンドなども株式の買い戻しに動いた。打診的な動きながら米系年金の日本株買いを指摘する声も聞かれた。株式市場では、次世代DVDの規格争いで敗色濃厚の東芝6502.Tが事業の効率化を期待されて大幅高になるなど、センチメントは改善しつつあるとの見方も出ている。

 2月18日、株式市場では東芝が大幅高になるなど、センチメントは改善しつつあるとの見方も出ている。写真は昨年11月に都内で撮影(2008年 ロイター/Toru Hanai)

 目先は、欧州系の金融機関の決算や米モノライン(金融保証会社)の再建策をにらみながら、戻り売り圧力を見極める展開になりそうだという。

 <英銀国有化で短期筋が動く>

 為替市場では一部にリスク志向が見られた。日本時間の18日未明、英国政府が英中堅銀行ノーザン・ロックを国有化すると発表したことを受け、株価の反発を見越した短期筋が米銀などを通じてドル買い/円売りを仕掛けた。ドル/円は一時108円台に乗せる場面もあった。

 このほか、豪ドル/円が98円半ばまで上昇。1月2日以来、1カ月半ぶり高値を更新した。「最近の豪経済指標の堅調ぶりを受けて、豪準備銀行(中央銀行)の追加利上げが前倒しされるのではとの期待が強まっている」(邦銀)という。

 外銀筋によると、この日の取引では、豪輸出企業や海外ファンドの豪ドル買いが目立った。豪ドル/米ドルは0.91米ドル付近にあった一段の豪ドル買いを誘発するストップロスを狙った買いが入り、0.90米ドル後半から0.91米ドル前半に上昇。一時0.9132米ドルと昨年11月9日以来、3カ月ぶり豪ドル高水準をつけた。

 ユーロ/豪ドルも1.60豪ドル半ばと昨年11月以来の安値に接近。利下げ期待が強まっている英ポンドに対しては2.14豪ドル半ばと1997年以来、約10年ぶりの豪ドル高水準で取引されている。

 <GDP効果続く>

 株式市場では日経平均が反発、一時200円近い上昇幅となった。14日に発表された10─12月期の国内総生産(GDP)が予想から上振れたことから、景気減速に対する過度な懸念が後退している。「海外では日本経済が米国経済からデカップリングした動きとみられており、国内株式にとって独自の下支え要因になっている」(大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部部長の高橋和宏氏)との声が出ている。

 市場筋によると、寄り前の外資系証券の注文動向は2営業日ぶりの買い越し。バスケット取引も海外勢は460億円程度の買い越しになったとみられている。「主力株のほか、ダイエー8263.T、グッドウィル4723.Tなど売り込まれた銘柄への買いもある。ヘッジファンドによる買い戻しが中心だろう。高く始まったことで慌てた短期筋が先物を買い戻し、上昇幅が拡大した」(大手証券エクイティ部)という。

 前週後半からは米系年金の買い観測も出ている。「打診買いの域は出ないが、海外の新規資金が流入しつつある」(欧州系証券売買担当者)との見方も出ている。

 <東芝/楽天が予想外の大幅上昇>

 GDPをきっかけとするセンチメント改善は個別銘柄にも表れた。高画質DVD規格の「HD DVD」から撤退すると報じられた東芝6502.Tが大幅高となったほか、大幅減益の楽天4755.Qも悪材料出尽くしでストップ高となっている。ある準大手証券関係者は「ともに少し前の相場なら売り材料になっていただろう。市場のムードが変わったことを象徴している。米モノライン問題など先行き不透明感が消えた訳ではなく、基本的には真空地帯の戻りの範囲ではあるが、売り物薄であるため意外に上値が伸びる可能性もある」と話している。

 また、「前週末に人気化していた海運や商社が一服となり、きょうは機械や自動車などが買われている。循環的物色の展開とも言え、良い兆しと言える」(水戸証券投資情報部長の松尾十作氏)との声も出ている。

 もっとも、ある米系証券ストラテジストは「バリュエーション上の売られ過ぎや、需給改善期待などからベアマーケットラリーとも言うべき反発局面は続くが、米経済指標の悪化や日本企業の業績予想の下方修正トレンドは続いている。景気敏感株は戻り売りを薦めたい」と慎重姿勢を崩していない。

 <武藤氏本命で中短期ゾーン重く>

 円債は小幅安。前週末の米債が買われた流れを引き継いで買いが先行して取引が始まったが、日経平均株価の上昇を受けて軟化した。一部海外勢による株先買い/債先売りも観測された。

 今週の国内では、相場に大きく影響を与えるような材料がないため、市場参加者の関心が株価動向に向かいやすい。ある邦銀関係者は「売り材料に乏しいため、債券はディーラー、投資家ともに、ロングポジションをベースにしたオペレーションが主流。ただ、先進国の株式市場で一番ショートポジションが多いのは日本株。債券市場のセンチメントは景気の先行指標である株価動向で動く可能性があるため、潜在的な株の買い戻し圧力を考えると、全く売り材料がないとも言い切れない」と指摘している。

 福井俊彦日銀総裁の後任人事に関しては「一連の報道をみると、武藤敏郎副総裁が昇格する方向に変わりはなく、福井路線が踏襲されるという見方が一般的な中で日米欧の協調利下げ期待がはげている」(別の邦銀関係者)といい、円債の中短期ゾーンや金先相場の上値が抑えられている。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者)

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