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ドル一時100円割れ、売り地合い変わらず

 3月14日、東京市場でドルは一時99.84円まで下落。写真は東京のディーリングルームで撮影(2008年 ロイター/Kiyoshi Ota (JAPAN)

 [東京 14日 ロイター] 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点からドル安が進み100円前半で取引されている。午後の取引でドルは一時99.84円まで下落。100円台を再び割り込み、前日につけた12年ぶり円高水準の99.77円に接近した。ドルはこの日も対ユーロで最安値を更新、主要6通貨に対するドルの値動きを示すドル指数も最低水準を更新しており、ドル安地合いに変わりはないとの声が大勢となった。

 ドルは上値の重い展開が続いた。前日海外市場では米株の上昇などを手掛かりにドルが買い戻される場面もあったが「ドルの先安見通しに何ら変わりはない」(都銀)といい、上値では戻り売りが強まった。東京市場ではドル/円が一時100円を割り込んだほか、ユーロは一時1.5652ドルまで上昇して史上最高値を更新。ドル指数も71.701と過去最低水準を更新した。

 アジア株の伸び悩みを背景に、クロス円も上値の重さが目立った。朝方はプラス圏で始まった日経平均株価が午後に入ってマイナス圏へ反落すると、海外市場では買いが先行していたクロス円に売りが強まった。ユーロ/円は午前の高値157円半ばから156円前半まで、豪ドル/円は95円前半から94円前半へ、英ポンド/円は204円後半から203円前半へ下落した。

 この日の市場でも、ドル売りやリスク回避の円買い手掛かりとして、海外ヘッジファンドや大手欧米系金融機関の資金繰り・経営悪化観測などが複数出回った。5カ国中銀の協調資金供給が発表された後も、サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題をめぐる疑念は薄れず「次から次へと本当かわからないうわさが流れてくる。市場の疑心暗鬼ぶりは相変わらず」(都銀)という。

 <個人投資家の売買活発、13日の取引高は昨年平均の5倍に>

 為替証拠金取引の取引所を運営する東京金融取引所(TFX)によると、1ドル=100円を割り込んだ13日、個人投資家の取引量が15万枚(1枚=1万ドル、15億ドル)と2007年の1日平均3万枚(3億ドル)の5倍に達した。ドル買い持ちポジションは12万枚で前日とほぼ同じだが「売り買いはかなり交錯した」(同取引所)という。国際金融筋は今回の円高局面について、個人投資家が台頭して初めての100円割れとあって、その動向に注目していた。

 (ロイター日本語ニュース 基太村真司記者)

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