[東京 8日 ロイター] 楽天証券経済研究所チーフストラテジストの大島和隆氏は、ロイターの緊急株式インタビューの中で「現在のグローバルな株価低迷は、原油価格の急騰が原因ではなく、米国のクレジット・クランチへの懸念が再燃した結果」との見方を示した。
そのうえで日本株の優位性は最初からない、と述べた。
インタビューの要旨は以下の通り。
――現在の株安をどうみるか
「原油価格の急騰が原因との見方が圧倒的に多いが、米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題に端を発した米国のクレジット・クランチの根深さを市場が再認識し始めた結果だとみている」
「日本株については、インフレに強いなどの優位性が論じられてきたが、日本株がインフレに強いとはみていない。6月始めまでの国内株上昇は、ヘッジファンドがアジア株のアロケーションの中で、パフォーマンスが目立って落ちてきた中国やインドなどをショートにし、代替投資先として日本に資金をシフトしたことが大きい。その動きが一巡し、金融不安への懸念が強まるなかで海外投資家が全体的に手控えていることなどが重なり、日経平均は4日まで12日続落となったとみている」
――年末までの日経平均の予想レンジは
「1万1000円から1万5000円とみている。1万5000円を目指すひとつのきっかけは米大統領選だ。ブッシュ政権が終わり、新大統領への政策期待感が強まれば、年末にかけて上昇局面となる可能性がある」