[シンガポール 19日 ロイター] 元国際通貨基金(IMF)チーフエコノミストで現在はハーバード大学教授のケネス・ロゴフ氏は19日、世界の金融危機はまだ最悪局面を迎えておらず、米経済が一段と悪化するのに伴い、今後2―3カ月以内に米国の大手金融機関が破たんする可能性がある、との認識を示した。
同氏は金融関連のコンファレンスで「米経済はまだ森から抜け出していない。金融危機はまだその途中にあるようだ。最悪の局面はこれから訪れるだろう」とした上で、「今後2―3カ月以内に中規模の銀行が破たんするだけではすまない。大手投資銀行あるいは大手銀行の一つが破たんするだろう」と述べた。
危機が終息する早期の兆しに関する質問に対しては「危機が終わる前に、金融セクターでさらに再編が行われる必要がある」と答え、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)FNM.Nと連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)FRE.Nは、今後数年にわたって現在の形態で存続することは難しい、との見方を示した。
また、米連邦準備理事会(FRB)がこれまで実施した積極的な利下げについては、「利下げにより、今後数年間に米国のインフレ率が大幅に上昇する」と語り、急激な利下げは間違いだった、との見解を示した。