[千葉市 15日 ロイター] トヨタ自動車7203.Tの渡辺捷昭社長は15日、新型車の発表会後に記者団に対し、経営環境は想定していた以上に厳しくなっているとの認識を示した。また、米国市場の需要低迷は来年いっぱい続きそうだと語った。
渡辺社長は、米国発の金融危機の影響が世界的に広がり始めていると指摘。新興国の自動車需要も鈍化していると語った。さらに為替が1ドル100円に近い水準で推移していることに言及し、足元の経営環境の悪化は想定以上であるとの認識を示した。
木下光男副社長も、2009年3月期の計画修正の有無についてはコメントできないとしながらも「状況は大変厳しい」と述べた。
関係者によると、トヨタは為替の急激な変動と自動車販売の減速を受け、09年3月期業績の下方修正を検討している。トヨタが業績を下方修正するのは異例で、金融危機の影響は急速に実体経済に広がりつつある。
このほか渡辺社長は、主力市場である米国の新車需要について「回復は来年春ごろと見ていたが、来年いっぱいかかりそうだ」と語った。