[ワルシャワ 8日 ロイター] 米国が東欧で進めるミサイル防衛(MD)計画について、オバマ次期米大統領の側近は8日、オバマ氏が推進継続を約束したわけでないと述べ、MD計画に慎重な姿勢を示した。
ポーランド大統領府のウェブサイトによると、同国のカチンスキ大統領とオバマ氏が7日に電話会談を行い、その際にオバマ氏が「MD計画は継続する」と言明したとしている。
しかし、オバマ氏の外交政策アドバイザーであるデニス・マクドナフ氏は、ロイターの取材に対し、MD計画の配備は確約されたわけでないとした上で、「オバマ氏の立場は選挙中と同じで、(MD計画の)技術が機能すると立証されれば、システム配備を推進する」と述べ、ポーランド側の発表を修正した。
ブッシュ政権はこれまで、いわゆる「ならず者国家」によるミサイル攻撃から防御するためとして、MD計画を推進。ポーランドと隣国チェコが、同防衛ネットワークを配備することで既に合意している。
これに対し、ロシアは7日、独自のミサイル防衛システムを同国西部のカリーニングラード州に配備するという計画を、対抗策として明らかにしている。