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焦点:米FRBの利下げ、銀行のマージン圧迫する可能性

 [ニューヨーク 16日 ロイター] 米連邦公開市場委員会(FOMC)が16日、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標水準を0─0.25%としたことで、銀行のマージンに圧力がかかる恐れがある。

 12月16日、米FOMCがFF金利誘導目標水準を0─0.25%としたことで、銀行のマージンに圧力がかかる恐れがある。写真はFRB建物。3月撮影(2008年 ロイター/Jason Reed)

 米連邦準備理事会(FRB)の利下げは、銀行の貸し出し金利低下を意味するが、銀行の資金調達金利はそれほど下がらない。つまり、今回のように貸し出し金利が下がれば、マージンが圧迫されることになる。

 ただ16日の株式市場ではこの点は注目されず、景気回復で銀行が恩恵を受けるとの見方から、KBW銀行株指数は10%上昇した。

 一部の投資家の間からは、利下げが銀行にとってどれほどの痛みになるのか、市場は理解していないのではないか、との声も上がっている。

 シークリフ・キャピタルのジェームズ・エルマン社長は「銀行は収益力が大幅に低下する。これは避けられない。悪い材料だ」と指摘した。

 UBSは、貸し出しマージンの低下は米銀行業界にとって、100億ドル以上のコストになるとの試算を発表。地銀のBB&TBBT.N、コメリカCMA.N、リージョンズ・フィナンシャルRF.N、サントラスト・バンクスSTI.Nで、マージンの低下率が最も大きいとしている。

 BB&Tの広報担当者は「これは、どんな銀行にとっても厳しいことだ。われわれは積極的に債務コストを管理している。金利低下の影響を抑制するために、われわれができることは多い」としている。サントラストはコメントを拒否した。また、コメリカとリージョンズ・フィナンシャルはコメントを求める電話取材に対して電話を折り返さなかった。

 <きょうの銀行株上昇は現実を反映せず>

 今回の危機を受けて、世界の金融機関はおよそ1兆ドルの資産について評価損を計上。米銀行の株価は大半が簿価を下回っており、市場では、銀行が一層の評価減を実施する可能性が織り込まれているようだ。

 バール&ゲイノー・インベストメント・カウンセルの運用担当者兼アナリスト、マット・マコーミック氏は、評価減やクレジット損失が一段落しても、銀行が依然問題を抱えていることが見逃されていると話す。

 景気減速で融資需要が低迷、仮に需要が上向いたとしても、マージン圧縮を受け収益に影響が出かねない。マコーミック氏は「きょうの銀行株上昇は、現実を反映したものではなく期待感によるもの」と述べた。

 キーコープの最高財務責任者(CFO)は、10月の投資家との電話会見で、FF金利が1%を下回れば、マージンが圧迫されると述べた。

 <預金めぐり銀行の競争激化>

 銀行が預金金利をこれ以上引き下げることが難しいのは、預金金利がすでに低い水準にあることに加えて、銀行間の競争激化も背景にある。

 UBSのアナリストは、15日のリサーチノートで「複数の銀行に話を聞いたが、預金をめぐる競争は、異例に激しいようだ」としている。

 UBSは、米銀行の純金利マージンは今年第4・四半期に0.07─0.1%ポイント低下、来年第1・四半期に0.05─0.07%ポイント低下すると試算。純金利収入は年100億ドル減少する、という。

 UBSは、金利低下で恩恵を受ける銀行があるのか不明としつつも、バンク・オブ・アメリカBAC.NとPNCフィナンシャル・サービシズ・グループPNC.Nが、大半の銀行よりよい位置にあると指摘した。

 (ロイター日本語ニュース Juan Lagorio、翻訳:吉川 彩)

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