[ニューヨーク 16日 ロイター] オバマ米大統領は、政府支援を受けているアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)AIG.Nが社員に1億6500万ドルのボーナスを支払ったことについて、憤りを示した。
また、ボーナスの支払いを撤回させるため、あらゆる法的手段を探るようガイトナー米財務長官に指示したことを明らかにした。
一方、ニューヨーク州のクオモ司法長官は、AIGのボーナスに関する詳細情報を得るため、関係者に召喚状を送付する方針を示している。
AIGは15日に社員にボーナスを支払った。また同社は同日、受け取った公的資金を使って米欧の大手金融機関を中心とする取引先に総額約900億ドルを支払ったと発表、これら金融機関のリストを公開した。
大統領はホワイトハウスで、幹部へのボーナスに「強い憤りを感じる」と述べた上で、「現在の状況下で、AIGのデリバティブ(金融派生商品)のトレーダーが1億6500万ドルものボーナスを受け取ることは理解し難い」と述べ、「納税者に対してこの暴挙をどう正当化するのか」と非難した。
政府は、AIGの救済に1800億ドルの公的資金を投入した。
AIGのエドワード・リディ最高経営責任者(CEO)は、ガイトナー米財務長官への書簡の中で、AIGは社員に2008年分のボーナスを支払う法律上の義務を負っていると説明したが、オバマ大統領による批判を受け、将来の賞与については見直しを行うことに合意した。