[ストラスブール 25日 ロイター] 欧州連合(EU)議長国のチェコのトポラーネク首相は25日、欧州議会で、米国の景気対策としての財政出動は「地獄への道」と非難し、EU内にはそのような道をたどる合意はないと述べた。
トポラーネク首相は、巨額の景気刺激策、「バイアメリカン」条項に代表されるような保護主義などを挙げ「こうしたもの全ての相乗効果と、さらに悪いことに、こうした政策を恒常的なものにしようとする構想は、地獄への道に他ならない」と述べた。
同首相は、前週にブリュッセルで開催されたEU首脳会議で、加盟27カ国が追加的な景気刺激策の導入をしないことで合意したと指摘。その上で「この問題は引き続き懸念事項であり、G20でも議題として取り上げられるだろう」と語った。
20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)は4月2日にロンドンで開催される。
EUは、景気対策は域内総生産(GDP)の3.3─4.0%とみている。これに対し、米国はGDPの5.5%を投入する予定。
チェコの議会下院は24日、トポラーネク首相率いる中道右派連立政権に対する不信任案を可決。現内閣は、チェコのEU議長国の任期が切れる6月に退陣する見通し。