[ワシントン 3日 ロイター] 米労働省が発表した3月の雇用統計は、失業率が8.5%に上昇し1983年以来の高水準を記録した。
非農業部門の雇用者数は66万3000人減少したほか、平均週間労働時間は過去最低となった。
ロイターが集計したアナリスト予想は、雇用者数が65万人減、失業率が8.5%だった。
また、1月の雇用者数は74万1000人減に修正され、1949年10月以来の大幅な減少となった。2月は変わらず。
ディシジョン・エコノミクスのシニアエコノミスト、ピエール・エリス氏は「米経済が底を打ちつつあるという見方と矛盾していない。雇用が急に盛り返すことはなく、明らかに力強さを示す兆候もない。ただ、少なくとも悪化が加速している状況ではない」と述べた。
同省によると、リセッション(景気後退)が始まった2007年12月以降、米失業者数は510万人に達し、このうち約3分の2が過去5カ月に集中している。
3月の雇用者数はほぼ全業種で減少した。製造業は16万1000人減、建設は12万6000人減、サービスは35万8000人減。一方、教育と医療関連は増加した。
労働統計局のキース・ホール局長は声明で「3月には長期失業者数が26万5000人増の320万人に達した。失業者の約4人に1人が少なくとも27週間失業している。これは83年半ば以来の高水準だ」と述べた。
失業中のパートタイム勤務者と求職をあきらめた人の割合は15.6%と、2月の14.8%から上昇し過去最高に達した。
3月の平均週間労働時間は33.2時間と過去最低水準を記録した。