[ニューヨーク 13日 ロイター] 13日のニューヨーク外国為替市場で、ドルと円が対ユーロで下落。リスク許容度が上昇し、安全通貨としての両通貨の魅力が薄れた。
米株価が5週間連続で上昇していることや、金融セクターの問題や世界経済が最悪期を脱したとの期待が膨らんでいることで、ここ数日の取引ではリスク許容度が回復している。
こうしたなか、豪ドルやニュージーランドドルなどの高金利通貨が上昇。中国政府が景気浮揚のために追加的な景気刺激策の導入を検討しているとの報道が市場心理の好転に拍車をかけている。
ただ、多くの金融市場が復活祭の休暇で休場だったため、薄商いのなか値が動きやすかった。また米国の決算発表期を前に様子見気分が強いことも取引が薄くなる要因となっている。
BMOキャピタル・マーケッツの外為ストラテジストのアンドリュー・ブッシュ氏は「この日の取り引きのテーマは、中国関連と回復への期待感。豪ドルとニュージーランドドルがこれらのテーマのもと、買われた」と述べた。
その上で「最近の一連の株式市場でのポジティブな動きを受け、リスク許容度が上昇しているため、米ドルと円は他の主要通貨に対する魅力失っている」と述べた。
ニューヨーク市場終盤の取引では、ユーロ/ドルは1.4%上昇し、1.3369ドルで推移。ユーロ/円は1.3%上昇の133.83円。
ドル/円は0.4%下落の99.87円。前週は世界的な株価回復を受け安全通貨としての円が売られ、ドルは対円で101.45円と、6カ月ぶりの高値をつけている。
中国証券報が、中国国家情報センターの幹部の話として、政府が消費拡大を目指し追加的な景気刺激策の導入を検討していると伝えたことで、中国経済の回復期待感が台頭。資源国通貨が買われる結果となった。
豪ドル/米ドルは1.5%高の0.7302米ドル。昨年10月以来初めて0.73米ドルを超えた。NZドル/米ドルは1.4%高の0.5912米ドル。
豪ドルは対円でも上昇。豪ドル/円は一時73.17円と、6カ月ぶりの高値をつけた。その後小緩み、終盤の取引では1.3%高の73.01円となっている。
今週の注目は、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)GM.Nの破産法適用申請の可能性に、株式市場がどう反応するかに集まっている。また、金融機関の決算発表も注目されている。
今週、第1・四半期決算を発表するのはJPモルガン・チェースJPM.N、シティグループC.Nなど。
テンプス・コンサルティングの外為トレーダー、マット・エスティーブ氏は「今週は重要な企業決算が相次ぐ。特に金融機関の決算発表が多い」と述べ、金融機関の決算が予想より悪かった場合、市場にとり下落圧力となる可能性があると指摘した。