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G7:識者はこうみる

 [東京 25日 ロイター] ワシントンで開催された7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、世界経済の急激な悪化がここにきてやや緩和しつつあることを声明に盛り込みつつも、先行きへ慎重姿勢は堅持した。

 4月25日、ワシントンで開催されたG7に対する市場関係者の声をきいた。写真は24日、G7後の会見で(2009年 ロイター/Jonathan Ernst)

 市場関係者のコメントは以下の通り。

●金融市場への影響限定的か

 <大和証券SMBC チーフストラテジスト 末澤豪謙氏> 

 これまでの7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)や20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、金融サミットでの議論を再確認する内容となっている。世界経済の下げ止まりを示唆する動きもあるとの見方を示したものの、依然として厳しい情勢にあるとの認識を共有しており、金融市場への影響は限られそう。中国元の切り上げを求めてはいるが、それを強く迫るものではなく、やわらかな表現にとどまっており、為替相場への影響もなさそうだ。

 24日の米債券相場で米10年債利回りが連邦準備理事会(FRB)が米国債買い取りに踏み切って以降、初めて3%に乗せる場面があった。米株が上昇していることもあり、週明けの日本市場では、株高/金利上昇のバイアスがかかる可能性もある。

●今後数カ月が最も重要との認識は一致、財政出動縮小の懸念ない

 <新光証券 エクイティストラテジスト 瀬川 剛氏>

 各国相応の財政出動を維持し金融機関を徹底的にケアしていこうということで各国が一致することは予想されていたことで意外感はない。共同声明には世界経済悪化のペースが鈍化したともあるが、世界経済にとって今後の数カ月が最も大事だという認識は各国当局者からの発言からもうかがえるため、財政出動規模の縮小といった懸念はないだろう。

 また、この時期にワシントンで集まったからには、水面下でGMGMやクライスラー[CBS.UL]の今後についての最も確度が高いシナリオと影響について、米政府から各国当局者に説明があるのではないか。不測の事態にならぬよう周知徹底したとすればポジティブな材料といえる。

 日本についてはこれまでの経済対策が評価されたのではないか。注文がついたとすれば政治情勢で2009年度補正予算が成立しないまま、解散・総選挙となることは日本経済にとって危険だと指摘された可能性があろう。

 G7自体の株式マーケットへの影響は限定的だろう。米連邦準備理事会(FRB)がストレステストの審査法に関する白書の中で、大半の米銀の資本レベルは必要とされる十分な資本水準を上回っているとしており、先日のガイトナー米財務長官発言を裏付けた形だ。金融セクターへの安心感が広がれば、日経平均は24日に下げた分程度は反発が期待できるだろう。

●IMF活用の影に米債売りリスク、ドルは96―98円付近か

 <三菱東京UFJ銀行 金融市場部チーフアナリスト 高島修氏>

 声明で国際通貨基金(IMF)について、資金拠出など具体的で明確な言及があったことに関心を持った。ロンドン金融サミットの流れを引き継いでセーフティネットが拡充されるというポジティブな面に着目すれば、新興国通貨・株の買い戻しが進む可能性があり、世界的にも株価が上がりやすくなる。景況感の改善は長期金利の上昇圧力につながり、現在の為替相場にとっては、どちらかといえば円安要因となる。

 ただ、IMFへ拠出する各国資金の財源が問題だ。日本は外貨準備での拠出を決めており、ユーロ圏もその方向にあると見られている。実際に新興国などで危機が発生し、IMFへの資金拠出が行われる段階になったら、外貨準備で保有されていた米国債が売られるリスクに、市場の目が向き始める可能性がある。その際の金利上昇はドル安リスクをはらむ。動向をよく見ておく必要がある。

 声明文が「経済活動が本年内に回復を開始する」とした点は、各国中銀筋のメーンシナリオともいえ、まったく違和感はない。これだけ財政出動が相次げば、回復しない訳がない。この1週間、アジアで発表された経済指標は強含みだし、年後半の中国の成長率は年率換算で10%に達する可能性もある。為替の実効レートはやや円高ドル安が進んでいるが、為替部分の手直しも特段なく、当局者の間に過度の円高やドル安という認識はなかった。

 G7が相場に影響を与える可能性はほとんどない。当面ドルは96―98円付近で高値持ち合いが続くだろう。

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