[東京 28日 ロイター] 新日本製鉄5401.Tは28日、2010年3月期の連結経常損益は収支とんとんになるとの見通しを発表した。主原料である鉄鉱石の価格交渉が決着していないほか、粗鋼生産量が見通せないことから「暫定値」と位置付けている。
トムソン・ロイター・エスティメーツによる過去30日間の主要アナリスト11人の予測平均値は567億円の赤字だった。
上期は1000億円の経常赤字を見込んでいるが、そのうちのほとんどが、前年の高値の原材料のキャリーオーバーや在庫評価差が影響する4―6月期になるという。谷口進一副社長は会見で「上期の赤字を下期に取り戻し、(経常利益は)ゼロ以上にしたい」と述べた。
連結売上高は同26.6%減の3兆5000億円、営業損益はゼロ、当期損益もゼロを見込んでいる。
2009年3月期は、売上高が前年比1.2%減の4兆7698億円、営業利益が同37.1%減の3429億円、経常利益が同40.4%減の3361億円、当期利益が同56.3%減の1550億円となった。経常利益は、トムソン・ロイター・エスティメーツによる過去30日間の主要アナリスト10人の予測平均値3433億円とほぼ同水準だった。同社は、1月下旬に経常利益予想を5600億円から3600億円に下方修正していたが、この予想数値は下回った。
(ロイター日本語ニュース 清水 律子記者)