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日本経済、09年度後半以降に成長率持ち直し=日銀総裁

 [東京 30日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は30日、金融政策決定会合後に記者会見し、日本経済について、2009年度後半以降、成長率が緩やかに持ち直していくとの見通しを示した。

 4月30日、白川日銀総裁は、日本経済が2009年度後半以降、成長率が緩やかに持ち直していくとの見通しを示した(2009年 ロイター/Michael Caronna)

 そのうえで、日本経済はやや長い目で見れば、物価安定の下での持続的成長経路へ復していく展望がひらけると語った。

 ただ、国際的な金融経済情勢、中長期的な成長期待の動向、国内金融環境など、景気の下振れリスクが高い状況が続いていることに注意する必要があるとも指摘、当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、日本経済が物価安定の下での持続的成長経路へ復帰していくため、中銀として最大限の貢献を行っていくとの方針を示した。また新型インフルエンザの影響についても潜在的リスク要因として注視する姿勢を示した。 

 <デフレスパイラルのリスク高くない> 

 同総裁は「見通し期間後半は、潜在成長率を上回る成長への復帰が想定される」との展望リポートでの見通しを強調した。

 同総裁によれば、今回の展望リポートで示された09年度・10年度見通しについては、政府が公表した追加経済対策の効果も考慮したという。しかし各委員が、その効果をどの程度、見通しに織り込んだかは、各委員の判断によるという。

 見通し期間後半には、潜在成長率を上回る成長に復帰していくとの想定にもかかわらず、09年度成長率見通しが大幅に下方修正されたことについて同総裁は、08年度後半の景気が大幅に悪化したことで、09年度に向けた成長率のゲタが大きくマイナスになった点を挙げた。同総裁によるとゲタはマイナス5%程度という。

 物価見通しは2年連続で前年比マイナスとなったが、デフレスパイラルに陥る可能性について同総裁は、財政・金融政策の効果もあり「消費者物価の下落幅も、09年度後半以後、縮小していく」との予想を示したうえで「現状では(デフレスパイラルの)リスクが高いとは考えていない」と指摘した。

 <長期国債買いオペ、今の買い入れが最適> 

 金融政策運営上のいわゆる銀行券ルールについて同総裁は、長期国債買い入れオペが、財政ファイナンスを目的をした場合、金融政策運営への信任が低下し、長期金利にも悪影響を与えるとの従来の考えを繰り返し、同ルールを維持する考えを示した。

 また残存期間が1年未満の長期国債については短期国債とみなすなどで、銀行券ルールを柔軟にする可能性については「一般論として、金融政策の運営について、あらかじめ特定の政策だけは排除するとか、特定の政策は必ず採用するとか、というように考えるべきでない」としたうえで「現状では、今の買い入れが最適である」との考えを示した。 

 <大手銀行の赤字に伴う損失、自己資本で十分吸収可能> 

 展望リポートでも触れた新型インフルエンザの影響について同総裁は「現時点で、マクロ経済への影響は評価できない」と述べたが、市場への影響については、メキシコを除けば、感染が確認されている国の通貨が横ばいで推移していることなどから「今のところ直接的な反応は限定的にとどまっている」との判断を示した。

 しかし「新型インフルエンザが大きく広がると、人の移動、生産活動に影響を与えうるので、潜在的なリスク要因としてみていく」と警戒感を示した。

 また大手金融機関での赤字決算や日本の金融システムの安定については「赤字決算に伴う損失は、現状では金融機関の自己資本で十分吸収できる範囲にとどまっており、わが国金融システムの安定性は全体としては損なわれていない」との判断を示した。

(ロイター日本語ニュース 児玉 成夫記者、志田義寧記者)

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