[オタワ 4日 ロイター] カナダ銀行(中央銀行)は4日、政策金利である翌日物金利を0.25%に据え置いた。据え置きは予想通りだったが、カナダドルの急伸がもたらす脅威について異例に強いコメントを発表した。
中銀は、インフレ見通しに大きな変化がなければ2010年第2・四半期末まで金利を据え置くとの確約を再確認した。紙幣増刷による資産買い取りなどの非伝統的措置については言及せず、一段の景気刺激策は今のところ必要ないとの見方を維持した。
最近の金融状況と商品(コモディティ)価格の著しい改善や消費者・企業信頼感の穏やかな回復を指摘する一方で、カナダドルの上昇が続けば、これらがすべて相殺される可能性があると述べた。
5月にカナダドルは米ドルに対し9.3%値上がりした。この日はカナダ銀行のコメントを受けて若干弱含んでいる。
中銀は「(商品価格高や米ドル安を反映した)前例のないペースでのカナダドル高が進めば、明るい要因を完全に相殺する可能性がある」と述べた。
スコシア・キャピタルのエコノミスト、デレク・ホルト氏は「予想よりも大胆な発言だ。カナダドル高が国内経済に及ぼす下方リスクについて、中銀の文言としてはかなり大胆な認識を示した」と述べた。