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ECBが経済見通し下方修正、カバードボンド購入の詳細発表

 [フランクフルト 4日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は4日、主要政策金利を大方の予想通り過去最低の1.0%に据え置いた。景気判断については、従来見通しを下方修正し、2009年は一段と深刻なリセッション(景気後退)に陥り、10年半ばまでプラス成長には戻らないとの見方を示した。

 6月4日、ECBが経済見通しを下方修正。写真はフランクフルトのECB本部(2009年 ロイター/Johannes Eisele)

 ECBスタッフによるユーロ圏16カ国の域内総生産(GDP)予想は、09年が最大で5.1%落ち込み、10年もマイナス1.0─プラス0.4%と、成長回復への道のりが厳しいことを示唆した。従来見通しでは09年は最大で3.2%の縮小を予想していた。インフレについては目標の上限としている2%を大きく下回って推移すると見込んでいる。

 トリシェECB総裁は1%の金利水準について、今のところ「適切」と述べたが、ロイターテレビとのインタビューで「現在の金利がどのような環境においても到達する最低水準とは決めなかった」とも指摘し、5月と同様、追加利下げの選択肢に余地を残した。

 経済については記者会見で「第1・四半期は極めて弱かったが、年内の経済成長はマイナスの度合いがかなり縮小すると予想する。安定期を経て2010年半ばまでには四半期でプラス成長が見込まれる」と語った。また、中長期的なインフレ期待を示す指標はしっかり抑制されていると述べた。

 <カバードボンド購入計画> 

 ドイツのメルケル首相は今週、ECBによる600億ユーロ(850億ドル)のカバードボンド買い入れ計画に関して、国際的圧力に屈した措置との考えを示した。トリシェ総裁はこの発言後、メルケル首相と電話会談し、ECBが独力で決定を下したとはっきり説明したことを明らかにした。

 さらに、カバードボンドの買い入れが米連邦準備理事会(FRB)やイングランド銀行(英中央銀行)が発表したプログラムと同等のプログラムではないとし、「われわれは量的緩和に乗り出してはいない」と述べた。

 総裁は、ユーロ建てのカバードボンドを発行・流通市場の双方から直接買い入れる方針を明らかにし、幅広い市場を支援する意向を示唆した。

 バークレイズ・キャピタルのマネジングディレクター、テッド・ロード氏は「ECBは健全なカバードボンド市場が欧州経済の回復に必要であることを非常に明確にしている」と指摘。「発行市場と流通市場の双方を支援する方針だ。これはECBが、発行市場にまだ参加できないが、質の高いカバードボンドプログラムを持つ発行体を支援する意向であることを意味している」と語った。

 ECBは、カバードボンドを直接買い入れると表明したが、買い入れが各国の中央銀行を通じて行われるのか、ECB自体を通じてなのかなど、どのような仕組みを用いるのかについては具体的に明らかにしなかった。

 ウニクレディト(HVB)のカバードボンドアナリスト、フランツ・ルドルフ氏は「仕組みについて詳細を明らかにすれば、ECBはECB自体に制限を設けることになる。仕組みを明かさないことで、取り仕切ることなく、また市場のゆがみにつながることなく、市場の状況に対応し、市場を強化する余地が生じる」と指摘した。

 ECBは5月の理事会で、市場を支援するためユーロ建てカバードボンドを最大600億ユーロ購入する方針を表明した。

 トリシェ総裁は4日の会見でカバードボンドの買い入れについて、7月に開始し、2010年6月末までに完了するとの見通しを示した。主に買い入れの対象となる債券は、主要格付け会社の少なくとも1社からAA格に格付けされている債券で、トリプルB以下は対象外。

 ウニクレディトのルドルフ氏はこれについて、AA格を下回るレベルに格付けされているカバードボンドはほとんどないとして、「買い入れを制限する要因ではない」と指摘した。

 買い入れ対象債券の規模は約5億―1億ユーロ。バークレイズのロード氏はこの規模について「規模の大きい発行体だけでなく、小規模な発行体も支援する意向であることを意味している」と語った。

 ECBはまた、期間3―10年の中・長期債を対象とする方針。

 トリシェ総裁はまた、ロイターテレビのインタビューで、ユーロ圏で発行されるカバードボンドの非常に大きな部分が買い入れ対象になるとの認識を示した。

 総裁は「どの発行債券が(買い入れプログラムの)カテゴリーに該当するかについては正確に見極めていく。複数のカテゴリーで新規発行を見込んでおり、これから把握し、恒常的に検証していく」と表明。「時価総額でみると、カバードボンドの極めて大きな部分が現在の適格基準に当てはまることは事実だ」と述べた。

 買い入れプログラムに拡充余地はあるかとの質問には、1カ月前の買い入れ決定だけでも市場の押し上げ効果があったとの認識を示し、「600億(ユーロ)に決定した。これ以上付け加えることはない」と述べた。「今後の決定に関し、いかなる憶測も好ましくない。きょうの決定で十分であり、できるだけ最善の方法で実施していく必要がある」とも語った。

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