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今夏の気温は平年並み、猛暑期待の関連株はパワー不足の展開に

 水野 文也記者

 6月25日、今年の夏は気温が全国的に平年並みになる見通しで、猛暑関連株を買おうとする相場シナリオの雲行きが怪しくなっている。写真は2007年8月に都内で撮影(2009年 ロイター/Yuriko Nakao)

 [東京 25日 ロイター] 今年の夏は気温が全国的に平年並みになる見通しで、例年シーズンストックとして注目を集める猛暑関連株を買おうとする相場シナリオの雲行きが怪しくなっている。

 株式市場では平年より高温となる猛暑を期待するムードがあったほか、関係者ボーナスの減額などによって、消費者の節約志向が続きそうなことも夏物商戦に対し不安感を生じさせており、関連銘柄の相場も盛り上がりを欠くとの見方が出ていた。

 気象庁が25日発表した全国の3カ月(7─9月)予報によると、今年の夏の気温は全国的に9月が高めとなるものの、7月と8月は高くなる沖縄・奄美を除くと平年並みになるという。降水量についても、9月に東日本が少なめ、沖縄・奄美が少なめとなるほかは、7─9月を通じて全国的に平年並みとの予報となっている。

 株式市場では、例年この時期になると夏の天候が話題になり、シーズンストックとして飲料・ビールメーカー、アイスクリームなどの乳業メーカーなどに関心が集まることが多い。ここ数年では猛暑によって、これらの製品の需要が増大することもあったことから「夏が来る前に待ち伏せする形で、関連銘柄を買う投資家もいるようだ」(中堅証券支店営業担当者)という。

 実際、今年もそうした投資行動を感じさせるような動きが目立つ。日経平均が12日に年初来高値1万0170円82銭を付けた後も、猛暑関連株と位置づけられる銘柄は堅調に推移し、明治ホールディングス2269.Tは24日、キリンホールディングス2503.Tは22日に今年の最高値を形成している。

 ところが、気象庁の予報という可能性の提示ながら、平年並みの気温となる見通しとなったことで、猛暑の期待が後退しそうな状況となってきた。

 東京について過去のデータをみると、7月の日中平均気温が摂氏28.5度と平年を3.1度上回った2004年には、株式市場で「猛暑効果」をはやす声が高まり、関連銘柄

が人気化。実際、この年はローソン2651.Tやファミリーマート8028.Tなどコンビニ業界では、猛暑効果によって上半期としてはそれまでの最高益を更新した。岐阜県多治見市や埼玉県熊谷市で日本の最高気温を記録した2007年も関連株が注目された経緯がある。

 実際、猛暑の年は関連銘柄など人気となっていただけに、平年並み予想となってことについてある準大手証券の情報担当者は「猛暑を先取りする形で関連銘柄を買い上がるのは難しくなった。関連銘柄は、たとえば各地で摂氏40度を超すような酷暑となった場合、そうした場面でスポット的に買う対象になるのではないか」と指摘していた。

 他方、仮に夏の天候が猛暑になった場合でも、消費者の節約志向の高まりから、例年と異なって思ったほどの売上高が期待できないとの見方も出ている。

 UBS証券のチーフ・ストラテジストの道家映二氏は「消費全般でポイントになるのは、あくまでも耐久消費財がどこまで回復するか。ビールなど消費量の全体への影響度は低い」と前置きした上で「ボーナスの減額から可処分所得が減る。夏物商品についても節約の意識が高まりそうだ」と分析していた。

 また、平年並みが予想される夏の天候と景気との関連について「景気が回復に向かっている状況で、平年並みの予報は材料としてニュートラル。冷夏の場合は回復期待に水を差すとみられるため、悪いシナリオが1つ消えた感じだ」(SMBCフレンド証券・シニアストラテジストの松野利彦氏)との声も出ている。

(ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)

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