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6月末特有の動きで株高/債券高、継続性に慎重な声も

 [東京 30日 ロイター] 30日の東京市場は株高/債券高。株式市場、債券市場ともに6月末という季節性による投資行動が色濃く出ており、継続性については慎重な声も聞かれる。

 6月30日、東京市場は株高/債券高、継続性については慎重な声も。写真は都内の株価ボード(2009年 ロイター/Toru Hanai)

 一方、外為市場では、原油の上昇を受けてユーロが買われるなどリスクテークの動きが目立ったが、クロス円全体に波及するほどの勢いはなく、短期筋の利益確定の売りに上値が抑えられた。

 <ドレッシング買い期待>

 東京株式市場では日経平均が反発し、取引時間中としては6月15日以来半月ぶりに1万円の大台を回復した。米国株高と為替の落ち着きを背景に輸出株などに買いが先行した。「欧州勢が商社、非鉄、資源などのセクターに買いを入れている。ユーロ圏の景況感改善などからリスク許容度が高まっている面もあるようだ。月末・期末のドレッシング買い期待もある」(東海東京証券エクイティ部部長の倉持宏朗氏)という。

 寄り付き前に発表された5月全世帯消費支出が、事前のマイナス予想に反して前年比実質プラス0.3%となったことも、株式市場にとって追い風となった。みずほインベスターズ証券・エクイティ情報部長の稲泉雄朗氏は「定額給付金などの政策効果が出てきているためであり、マクロ経済に関しては、年内は大丈夫との安心感が広まっている」とみている。

 バリュエーション面でみれば、米S&Pの株価収益率(PER)が15倍程度なのに対して、日本株は東証1部ベースで35倍程度。ファンダメンタルズからは買いにくい水準との指摘もあるが「日本企業は業績の改善モメンタムが相対的に大きい。国際分散投資上、景気敏感株としての日本株は持たざるリスクがある」(欧州系証券)との声もある。

 みずほインベスターズ証券の稲泉氏は「現物安・先物高という順ザヤ状況を利用した裁定買いはバリュエーションとは無関係。材料株の値動きの良さについていく個人投資家も、バリュエーション投資からは離れた投資行動を取っている。こうした買いが主役のときは上昇ペースが加速する可能性がある」と話している。

 <年限長期化の買い>

 円債市場は堅調。月末の年限長期化の買いに支えられ、長期ゾーンを中心に金利は低下した。10年最長期国債利回り(長期金利)は前日比2.5ベーシスポイント(bp)低い1.360%を付けた。金融機関の資金運用の需要を反映し、短いゾーンもしっかりとしている。5年債利回りは同1.5bp低い0.695%と4カ月ぶりの0.7%割れとなった。2年債利回りはロンバート型貸出金利(0.3%)間近まで迫っているため一段の低下に慎重な声は多いが、それでも同0.5bp高の0.305%にとどまっている。

 国債先物も上昇。商品投資顧問業者(CTA)など海外ファンドの買いも入り、9月限は一時138円31銭と約3カ月ぶりの高水準まで上値を伸ばした。

 ニッセイ基礎研究所、金融部門主任研究員の徳島勝幸氏は「6月末という特別な月末要因があるので、きょうのところは強含みとなるには理由がある。しかし怖いのは明日以降」という。

 徳島氏は「日銀短観は景気の良さを示す内容とは到底ならないので、数字上は、債券の買い材料になる見通しだが、その次の日には10年債入札が控えている。きょうの段階で金利が低下してしまっているだけに(短観を)どう消化するのか、見極めたい」と述べている。

 みずほインベスターズ証券・シニアマーケットエコノミストの落合昂二氏も「長期ゾーン中心に買いが入っているので、月末特有の長期化需要に加え、四半期決算があるため、投資家の中で買い遅れていた部分のキャッチアップがあるかもしれない」と話したうえで「月が替われば反落ということも念頭に置く必要がある。今週は10年債入札を控えるなど本格的な増発シーズンとなるため、このまま金利が一方的に低下していくというシナリオは描きにくい」という。

 <原油高でユーロ買い、波及は限定>

 為替市場では、月末、四半期末、半期末にあたるため、ドル不足が見込まれていたが、実際にドル/円での目立ったフローはなく、ユーロ/ドルやクロス円での値動きが中心となった。日経平均をはじめアジア株が全般的に堅調なことや、米原油先物価格が続伸していることを背景に、ユーロの力強さが目立った。

 「株高、原油高、ユーロ高という構図はきょうも続いている。ただ、クロス円は短期筋の利食い売りで若干弱含んでいる」(外為専門会社)という。

 ユーロ/円は136円を目前に短期筋の利食い売りで135円前半まで押し戻され、高値もみあいの様相。ユーロ/円の下落をきっかけにドル/円も96円を割り込む展開となった。 

 原油先物8月限は、前日ニューヨーク市場で、ナイジェリアの武装勢力による石油関連施設への攻撃による供給懸念や、短期筋の買いを背景に急反発。きょうの東京時間では、一段高となり73ドル前半まで続伸した。

 ドル/円は「95円を下回らないので、底堅さが意識され、下方向のモメンタムは限られている。今週は米景気指標やECB理事会とイベントが盛り沢山だが、独立記念日で米市場が3日は休場になることもあり、新局面は来週になってからではないか、という。

 「ドル安になれば、当局、民間とも持っている(ドル建て)アセットの評価が悪くなる。期末日のきょうはあえて波風を立てたくないのではないか」(証券会社)との指摘もある。「スイス中銀の最近のスイスフラン売り介入などは、あからさまにウィンドウドレッシングの意図を反映していた」(同証券会社)という。

 市場参加者によれば、スイス国立銀行(SNB)は24日、スイスフラン売り・ドル買いの介入を実施したとされる。SNBは為替の動きについてはコメントしないとしている。 日本関係の材料としては、日本国債10年物入札の結果に注目する声もある。「万が一入札結果が低調であれば、円売り材料になるかもしれない」(信託銀)という。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集 田巻 一彦)

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