[ニューヨーク 25日 ロイター] - 25日終盤のニューヨーク外為市場では、ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、安全資産とされる円やスイスフランへの買いが膨らんだ。また豪ドルやニュージーランド(NZ)ドルなど、太平洋地域の高利回り通貨も対ドルで値を上げた。
ウクライナとロシアによる衝突の危機が高まる中、ウクライナの特殊部隊はこの日、同国東部で作戦の第2段階に着手した。米国はロシアへの追加制裁を発動する構えを見せているほか、欧州指導者も対ロシア制裁で米国と協調することで合意した。
ドル/円JPY=は0.16%安の102.13円と、1週間ぶり安値水準をつけた。
ドルはスイスフランCHF=に対しても値を下げ、0.04%安の0.8808フラン。一時は1週間ぶり安値の0.8798フランまで売られた。
米経済指標はまちまちの内容となっており、市場は明確な方向感を欠く。そこにウクライナ懸念が加わり、投資家にとっては大きなポジション形成を構築することはリスクが大きく、そのため太平洋地域の通貨が買われたと、シティFXのG10為替戦略部門グローバル責任者、スティーブン・イングランダー氏は指摘する。
「アジア経済に関するニュースが良いとは言えないが、台風の目からは程遠く、利回りの高さが魅力」という。
豪ドルは米ドルAUD=D4に対し0.05%高の1豪ドル=0.9268米ドル。NZドルNZD=D4は0.10%高の1NZドル=0.8574米ドルをつけた。
ドルはインドルピーINR=に対しても売られ、0.82%安の60.64ルピー。
ユーロ/ドルEUR=は0.06%高の1.3839ドルとなった。
来週は30日に発表される4月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)や5月2日に発表される4月の米雇用統計が注目材料。
ドル/円 終値 102.12/14
始値 101.98/99
前営業日終値 102.31/33
ユーロ/ドル 終値 1.3832/37
始値 1.3836/37
前営業日終値 1.3831/33
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