for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

来週のドル/円は身動きとれず、短期筋は豪ドルなどに逃避

[東京 9日 ロイター] - 来週の外為市場で、ドル/円はレンジ内で身動きのとれない状況が続きそうだ。先週の米雇用統計が良好な内容だったにもかかわらず、明確な上昇トレンドを形成できなかったことが尾を引いている。ドル/円のこう着感が強まるなか、短期筋が値動きのいい豪ドルなどに逃避するとの指摘もある。

 5月9日、来週の外為市場で、ドル/円はレンジ内で身動きのとれない状況が続きそうだ。2011年8月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

予想レンジは、ドル/円が100.75―103.00円、ユーロ/ドルが1.3700―1.3950ドル。

米労働省が2日に発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の増加が前月比28万8000人と市場予想の21万人を大幅に上回った。それまで102円台を中心とした取引が2週間も続いていたことから大きく動くことが期待されていたが、ドル/円は103.02円まで急伸した後、すぐに伸び悩んだ。

イエレン米連邦準備理事会(FRB)の発言も、ドル/円の上値を重くさせている要因の一つだ。イエレン議長は7日の議会証言で、「高水準の金融緩和が引き続き正当化される」と発言し、超低金利政策の長期化を示唆した。これにより、米長期金利が上昇しづらくなっている。

<103円の上抜けは難しいか>

米国では13日に4月小売売上高、15日に5月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、16日に4月住宅着工件数の発表が予定されている。総じて良い内容となれば、ドル買い/円売りへの安心感につながりやすいが、「横綱級」の雇用統計で抜けなかった103円の水準をこれらの経済指標では抜けられないとの見方が多い。

雇用統計でドル/円は上値の重さが確認された一方、今週は下値の堅さも確認された。日経平均株価.N225が1日で400円超下げた局面でも、ドル/円の下落は101.43円で止まった。市場では「3月安値101.20円が強いサポートラインとして意識されている。実需のドル買いも見込まれるため、101円前半は底堅いイメージがある」(国内金融機関)という。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は「上方向も下方向も固められている。ここ数カ月、低ボラティリティが続き、ドル/円についてみんなのやる気がなくなってきているようなところもある」と指摘。その上で「短期売買をやっている人たちは値動きのいい豪ドルなどに浮気しており、そういった状況が続くような気がする」と話す。

豪ドル/円は5日、3月27日以来の安値94.24円をつけたが、8日には2度の上昇圧力がかかり、一時95.65円まで上昇した。オーストラリアの雇用統計が予想を上回り、その後、中国で発表された4月の貿易統計が輸出入ともプラスになったことが伝わると再上昇した。

<ウクライナの住民投票に警戒>

ウクライナ情勢は引き続きマーケットのかく乱要因になりうるため警戒が必要だ。ウクライナ東部では、親ロシア派勢力が自治権拡大の是非を問う住民投票を11日に行うと表明している。ロシアのプーチン大統領は住民投票の延期を呼びかけていたが、拒否した形だ。

ドル/円は市場予想より強い米雇用統計で急伸したものの、ウクライナ情勢の緊迫化で米長期金利が低下し、急速に伸び悩んだ経緯もある。市場では「ウクライナの住民投票が無難に通過するまでは、ドル/円は上方向を試しづらい」(国内金融機関)との声が出ている。

IG証券のマーケット・アナリスト、石川順一氏は、ウクライナ情勢について「5月下旬の大統領選挙を控え、大国間の政治的な駆け引きもあるだろうし、国内でも新ロシア派と親欧米派のせめぎあいが激しくなるだろう。欧州の株式市場から米国の株式市場にネガティブインパクトが波及しないかどうか注視しておきたい」と話す。

為替マーケットチーム

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up