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潜在成長率の引き上げ重要、成長戦略の実行を=日銀総裁

 5月15日、黒田日銀総裁は、労働需給がひっ迫する中、成長戦略の実行で潜在成長率を引き上げていく重要性が高まっていると述べた。写真は4月撮影(2014年 ロイター/Issei Kato)

[東京 15日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は15日午前の参議院財政金融委員会で、労働需給がひっ迫する中、成長戦略の実行で潜在成長率を引き上げていく重要性が高まっている、と訴えた。4月の消費税率引き上げの物価への影響については、全体としては価格転嫁が進んでいるとの見方を示した。片山さつき委員(自民党)の質問に答えた。

黒田総裁は、先行きの日本経済について「生産・所得・支出の好循環の下で、バランスよく成長することが最も望ましい」と指摘。足元では日本の潜在成長率を上回る成長が続く中で「労働需給は非常に引き締まっている」とし、賃金上昇圧力は高まっている、との認識を示した。

一方で労働需給のひっ迫が成長の足かせになる可能性もあり、黒田総裁は「アベノミクスの第3の矢である成長戦略、規制緩和や投資促進などで、潜在成長率を引き上げていくことの重要性は高まっている」と語った。

4月の消費税率引き上げを受け、4月分の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品除く)は前年比プラス2.7%に上昇。日銀試算では、増税の影響を除いたベースで同1.0%となり、3月と横ばいだった。

黒田総裁は、4月の都区部CPIを踏まえて「消費税の影響を除いたベースで、3月から4月にかけて段差はない。全体としてみれば、消費税引き上げ分の価格転嫁は進んでいる」と説明。ただ、「具体的な転嫁の状況は業種や企業によって異なる」とし、「全国ベースの計数を含めて今後の物価状況を見極めていきたい」と語った。

日銀が物価目標に掲げている2%は、「2015年度を中心とする期間」に達する可能性が高いとあらためて表明。その背景として、内需が堅調に推移する中で、労働需給の引き締まり傾向が今後も続くとみていることや、中長期の予想物価上昇率の高まりが「実際の賃金・物価の形成に影響を与え始めている」ことを指摘した。

また、日銀による積極的なマネタリーベースの供給に比べ、マネーストックの伸びが鈍いとの指摘に対しては「伸び率や金額に違いはある」としながらも、「貸し出しは今の経済状況に見合ったかたちで増えている」とし、中小企業や地方などへの広がりもみられていると語った。

伊藤純夫

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