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需給ギャップ解消「思いのほか速い」=日銀議事要旨

[東京 26日 ロイター] - 日銀が26日公表した議事要旨によると、4月30日の金融政策決定会合では、同日の会合で決めた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の議論の中で、足元の需給ギャップがゼロ%近辺に改善していることについて「思いのほか速いペース」との見解を何人かの委員が示していたことがわかった。

 5月26日、日銀が公表した議事要旨によると、4月の金融政策決定会合で、足元の需給ギャップがゼロ%近辺に改善していることについて「思いのほか速いペース」との見解を何人かの委員が示していたことがわかった。都内の日銀本店で2012年5月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

これは少子高齢化の進展などで「供給の天井」が低くなっていることを示すとし、成長戦略の実行などで潜在成長率を引き上げていくことが重要と指摘している。

日銀試算の需給ギャップは、昨年10─12月期でマイナス0.1%とほぼ解消している。会合では、この背景について議論が行われ、何人かの委員は「思いのほか速いペース」と指摘し、労働集約的な非製造業中心に景気が回復する中、少子高齢化やリーマン・ショック後の設備投資の先送りなどで「やや長い目でみて、日本経済の供給の天井が低くなっていることを示すもの」との見解を示した。

そのうえで、これらの委員は、持続的な経済成長には「成長戦略の実行などにより、潜在成長率を引き上げていくことが重要」と指摘し、政府・民間の取り組みを促している。

<企業の価格転嫁は続く、物価上昇は持続的でない>

展望リポートでは、物価上昇率が2015年度にも目標とする2%に達し、その後も2%程度で安定的に推移するシナリオが描かれた。多くの委員が、労働市場を中心とした国内需給の改善や、予想物価上昇率の高まりを背景に物価上昇圧力が続くと主張。何人かの委員は、企業の価格転嫁は今後も続くとし、ベースアップを含めてこうした動きは「需給バランスに対する物価上昇率の感応度を高め、予想物価上昇率を高める」との見方を示した。

一方、別の委員は予想物価上昇率が2%に向かって上昇することの不確実性は高いと指摘。今後、円安の物価押し上げ効果がはく落する可能性が高い中で、労働需給タイト化などが物価をどの程度押し上げるかは「不確実」とし、予想物価上昇率も「2%に向かって収れんしていくのは難しい」と述べた。

ある委員は、供給制約に伴う賃金・物価の上昇は「持続的でない可能性がある」と表明。企業の価格転嫁についても複数の委員が「動きが広がっていくかは、国内需要の堅調さが維持されるかにかかっている」と述べている。

4月の消費税率引き上げの影響については、実質可処分所得にマイナスに作用するものの、政府による経済対策などが影響を減殺するとの見方で一致。もっとも、1人の委員は「昨年度後半頃からの消費マインドの悪化を懸念している」と言及した。

<佐藤委員、物価リスク「下方に厚い」>

会合では、展望リポートの記述について複数の委員が反対票を投じた。佐藤健裕審議委員は、物価見通しのリスクを「下方にやや厚い」などに、木内登英審議委員は先行きの物価について「おおむね現状程度の水準で安定的に推移する」などに、白井さゆり審議委員は目標とする物価2%の到達時期について「見通し期間の終盤にかけて」などに変更するよう、それぞれ提案したが、いずれも否決された。

*内容を追加して再送します。

伊藤純夫

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