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インタビュー:日本企業10─15社を厳選投資=みさき投資社長

[東京 28日 ロイター] - みさき投資(東京都港区)の中神康議社長は、今年7月に立ち上げる予定のファンドで、日本の上場企業10─15社程度に投資する方針を示した。同社は株主として、経営者(経営陣)と企業価値を高めるための対話(エンゲージメント)を重ね、資本生産性の向上など企業価値を高めていきたいと話した。

ファンドが日本の上場企業に増配や買収などの提案を積極的に行ったり、経営戦略の提言を行った例としては、スティール・パートナーズとブルドックソース2804.T、TCIと電源開発(Jパワー)9513.Tなどさまざまで、直近では米サードポイントとソニー6758.Tのほか、TCIとJT2914.Tがあった。

TCIやサードポイントなどは、投資先に提案した内容を開示したが、中神氏は、オープンレターには消極的。みさき投資では、企業と時間をかけて築き上げる信頼を重視するため、外圧のかかるようなオープンレターは行わず、水面下でエンゲージメントを続ける方針という。

主な一問一答は、以下の通り。

─―友好的にモノを言う株主ならぬ、フレンドリーアクティビズムという考え方が広がっている

「フレンドリーなのかコンストラクティブ(建設的)なのか、またはホスタイル(敵対的)なのかは、あくまでも手段の話。目的は、会社を変えることで、そのための手段としてどれが最も効果があるか、その手段にいろんなアプローチがあると理解している」

「7月にファンドを立ち上げるため、マーケティングを始めている。追加型のファンドで、10─15社くらいに投資をする予定。(投資期間は)個別ケースで違うが、3─5年はメルクマークとして投資したい。エンゲージメント(対話を重視)し、成果がでて会社が変わるには時間がかかる」

─―どのような会社に投資するのか

「日本には約3600の上場企業があり、いい会社、だめな会社、さまざまだ。過去にホスタイルアクティビストと言われた人々は、だめになって、割安でキャッシュリッチな会社に株主還元などを求めることが多かった。われわれは、いい会社で(手を打てば)もっともっと良くなるのではないかというような会社に投資をする」

「日本の企業は資本生産性、ROEが低すぎると思う。たとえば過去10年平均の世界の企業のROEをみると、日本はどの国よりも低い。日本は戦後、製造業を中心に懸命に労働生産性を上げ、その高さを武器にグローバル競争で戦ってきた。でも今度は、資本生産性を強化しなければ本当にグローバル競争では戦えない」

──なぜ日本企業の資本生産性は低いのか

「(欧米と比べて)企業のアセットターンオーバーが全然違うかというとそうでもないし、財務レバレッジが全然違うかというとそうでもない。最も違うのはマージン(当期利益率)。これが圧倒的に低い。われわれは、マージンを高めることでROEを上げ、事業の価値を上げるのが重要だと考えている」

─―上場3600社のうち、投資先の候補になりそうなのは何社くらいか

「500社くらいとか、相当の株があってもおかしくない。社長が”HOP”だと思ったら、どんどん(会社を)良くしようと話をしていく。投資は出会い。かならずしもクオンツのアナリシスだけではない」

「”HOP”のHはハングリーなこと。会社の成長にハングリーでなければバリューアップ(企業価値の向上)は進まない。Oは、オープンマインド、Pはパブリックカンパニーマインドのあること。そうでなければ、株主のことはあまり考えてくれない。HOPかどうかは非常に重要」

──スティールパートナーズ、村上ファンドといったファンドから今まで、日本の企業と株主の関係はどう変化しているか

「基本、株主が経営に対してものを言うことにアレルギーがあること自体は、あまり変わっていない。ただ、企業経営やグローバル競争力について本当に問題意識を持つ人は増えている。そうした流れで、スチュワードシップコードやJPX400の導入がある。(ファンドについても)外から、自分の利益のためだけに言っているファンドなのか、本当に世の中を愁いて、だれのためにも利益になるから言っているのかは、だんだん分かってくると思う」

*インタビューは23日に行われました。

江本恵美、安藤律子

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