[モスル(イラク) 10日 ロイター] - イラク北部の都市モスルが10日、アルカイダ系のイスラム教スンニ派過激派組織「イラクとレバントのイスラム国(ISIL)」によって掌握された。マリキ首相は非常事態宣言の発令を国民議会に要請した。
スンニ派の過激派組織は今年初め、中西部アンバル州ラマディの一部とファルージャを掌握。モスルの掌握は、シーア派主導の同国政府にとって大きな打撃となる。
軍当局者は「軍と警察は配置を離れ、ISILのテロリストが(同市を)完全に支配している」と述べた。別の当局者はロイターに対し、ISILのメンバーが市街戦の訓練を受けていると指摘。モスルから撤退させるにはすべての軍部隊を投入する必要があるとした。
警察や軍、治安当局者は、ISILが対空砲やロケット弾で武装し、モスル市内と周辺地域の警察や軍の検問所のほぼすべてを掌握したと話した。また、複数の刑務所から合わせて1200人以上の受刑者が逃走した。
米国務省は声明で、モスルでの状況について「深く懸念している」と表明。イラク政府にあらゆる支援を提供する考えを示した。
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