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伸び悩む天然ガスの世界需要、消費の主役は中国へシフト=IEA

[ミラノ 10日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は10日公表した天然ガス市場報告2014で、価格の割高感から天然ガスの世界需要の伸びが減速する中、消費の中心は中国にシフトし、中国の天然ガス消費量は今後5年間で倍増するだろうとの中期見通しを示した。

6月10日、国際エネルギー機関は天然ガス市場報告で、天然ガスの世界需要の伸びが減速する中、消費の中心は中国にシフトするとの見通しを示した。内モンゴル自治区蘇里格のガス施設で昨年5月撮影(2014年 ロイター)

IEAは、今回の報告で2019年までの天然ガス需要の伸びを世界全体で2.2%と予測、昨年の予測値の2.4%からやや下方修正した上で、他の競合エネルギー資源に比べ価格面で不利なことから、各国エネルギー市場での天然ガスのシェアが先細りになる可能性を指摘した。

これに対して中国の天然ガス需要は旺盛で、2019年には米国、ロシアを抜き世界最大の需要国として、3150億立方メートルの天然ガスを消費するようになるだろうと予測。これは、天然ガス需要増加の3分の1が中国1国によってもたらされることを意味する。

今回のIEA報告は、安価かつ供給の潤沢な石炭に天然ガスが伍していくためには、価格面での手当てが不可欠と警告している。

日本、インド、韓国などアジアのLNG輸入国は、共同買い付けなどの策で何とか輸入価格を抑えようと必死だが、必ずしも功を奏しているとは言えないし、インドや欧州でも事情は大同小異だ。

LNGは、100万BTU(British Thermal Unit=英国熱量単位)あたりスポット価格12.6ドルで現在取引されているが、昨年冬場の需要逼迫期には20ドルまで高騰した。今年も同様の傾向となると見込まれている。

欧州では、安価な石炭燃料に加えて、景気後退によるエネルギー消費の不振、再生エネルギーの台頭などの要因が、天然ガスの苦戦に追い込んでいる。

「(欧州では)電力需要の増加を補って余るペースで再生可能エネルギーの利用が進んでおり、規制で一部の閉鎖が予定される石炭火力発電も稼働中のものは(天然ガスより)価格競争力が高い」。IEAのガス・石炭火力発電を統括するラズロ・ヴァロ氏がカンファレンスにおける発言の中で指摘した。

ロシア、ウクライナ、中東の各国の事情も天然ガス需要を抑制する要因となった。

大気汚染対策を迫られている中国政府は、石炭への依存度の高い産業セクターに対して天然ガスへの切り替えを促す政策を採っているが、今回のIEA報告はこれによって中国の電源構成が大きく変わることはないだろうとしている。ヴァロ氏によれば、中国のガス火力発電のシェアは3%から4%程度で、これが多少増えたとしても石炭火力の比率を大きく圧迫することにはならないとのこと。

世界全体の天然ガス需要を中国が押し上げるようになるには、同国があらゆる手段を尽くして天然ガス利用を進める必要があるという。ガスパイプラインやLNGでの輸入、国内シェール層からの採掘、石炭ガス化などの手段を総動員する必要がある。

ガスパイプラインでの輸入は、現在のトルクメニスタンとミャンマー以外では、ロシアの供給開始が2018年になることを考えると、輸入増の大部分はLNGになりそうだとIEA報告は指摘している。

「2019年までに中国のLNG輸入は急増、関連インフラの整備や全世界で進むプロジェクトも寄与して、2019年には570億立方メートルに達するだろう」とIEA報告は予測している。

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