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イエレン米FRB議長の会見要旨

[ワシントン 18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は18日、連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に記者会見を行った。要旨は以下の通り。

 6月18日、米FRBのイエレン議長は、FOMC終了後に記者会見を行った。写真はワシントンで同日撮影(2014年 ロイター/Jonathan Ernst)

<成長見通し>

FOMCの今年の成長率見通しが、3月時点から大きく下方修正されたのは、第1・四半期が予想外にマイナスとなったことが大きい。向こう2年間の実質成長率の伸びは、より長期の通常の伸び率予想を引き続き幾分上回るとみている。

<緩和政策の解除>

緩和政策の解除を始めれば、失業やインフレが責務と一致する水準に近づいた後も、目標のフェデラルファンド(FF)金利を、FOMCが長期的に正常とみなす水準を下回るよう維持することが、経済情勢からみて当面、正当化される可能性があるというのが、FOMCの現在の評価だ。

参加者の予想で、2016年末時点でFF金利がより長期の正常水準を引き続き十分下回ると、大半の参加者がみているように、このガイダンスは、適切な政策の道筋と整合が取れている。

<低金利は継続> FRBの(債券および証券の)保有が大規模で依然膨らんでいることは、引き続き長期金利への下押し圧力となる見通しで、住宅ローン市場の下支えや金融市場の一段の緩和、さらには雇用創出の後押しやインフレ率の目標回帰につながる。

<資産買い入れの縮小継続>

労働市場の改善が続き、インフレ率は時間と共に(FRBの)長期目標に沿った水準に上昇するとの予想が、この先入手する情報によっておおむね裏付けられれば、今後のFOMCで資産買い入れを引き続き慎重なペースで縮小していく公算が大きい。

<利上げ時期> フェデラル・ファンド(FF)金利の道筋に関するFOMC予想は、経済見通しに左右される。経済がFOMCの想定以上に強まり、雇用とインフレがFOMC目標へと一層迅速に収れんしていけば、FF金利の引き上げ時期も現在の予想以上に早まる公算が大きく、そのスピードも加速するだろう。反対に、経済が予想に反し、FOMC目標からさらに長期間、一段と遠のけば、FF金利の引き上げ時期は遅れ、一層緩やかとなる公算が大きくなる。 したがって、私が伝えたいガイダンスとは、「当面(considerable time)」が意味するものに機械的な公式などないということであり、すなわち経済動向次第だということである。

<信用>

個人的には、信用は幅広く得られる状況にあると判断している。だが一部で例外もある。信用履歴の低い借り手に対して、銀行は融資に消極的だ。

<高いインフレ率への許容度>

FOMCは、長期的に個人消費支出(PCE)価格指数の上昇率が2%の水準を目標としている点を強調している。インフレ率が長期にわたり継続的に目標を上回る、または下回る状況は望んでおらず、これは今も変わらない。

目標からの恒久的なかい離に対する許容度という点において、FOMCの姿勢は全く変わっていない。

<物価動向>

最近の指標、例えば消費者物価指数(CPI)はやや高めになっていると思う。しかしわれわれが目にしているデータには夾雑物が多いのではないか。大まかに言えば、インフレはFOMCの見通しに沿って推移しているという点に留意することが大事だろう。FOMCは、物価上昇率が2%の目標に緩やかに戻っていくと予想してきており、最近出てきた材料も、われわれが掲げる2%の目標に次第にゆっくりと回帰しつつあることを示唆している。物価情勢は、ほぼわれわれがそうなるだろうと想定していた通りだとみている。

<潜在成長率を上回る成長実現を確信しているか>

その答えは『ノー』だろう。なぜなら不確実性が存在するからだ。しかし、米経済が潜在成長率を上回るペースで持続的に成長する局面を想定するべきだという多くの十分な理由もあると思う。われわれは非常に緩和的な金融政策を有し、財政の足かせは和らぎ、与信環境は緩みつつあり、家計の債務水準はより許容できる範囲になって返済能力も高まっており、労働市場は改善している。住宅価格と株価は上昇し、海外経済も上向きだ。少なくともわたしの見方ではこうなっている。

<出口政策>

われわれは、出口もしくはその他の政策パッケージの側面について、これまでの議論で大いなる進展はあったものの、まだ結論には達していない。バーナンキ前議長は、2011年のわれわれの原則と対照的に、住宅ローン担保証券(MBS)の売却はありそうにないと示唆しており、それは今も変わっていない。

<長期の金利予想引き下げ>

FOMCの長期的な自然利子率の見通しには、確かに非常に小幅な低下が見られた。ただ留意してほしいのは、今回はFOMCのメンバーが入れ替わり、2人が去った一方で2人の新規参加メンバーが見通しを提示したことだ。これによって、解釈が難しいほどの小幅な変化であるとはいえ、見通しに変化が生じ得る。

ただ私は、小幅に低下したと言って差し支えないと考えている。主な理由として考えられるのは、長期的な成長に関する見通しに、ある程度の小幅な低下が生じたことだ。

<政策手段>

利上げが適切な時期が訪れた際、短期金利を引き上げるのに必要な手段を有していることにFOMCは自信を持っている。また、利上げ後しばらくの間FRBが非常に大規模なバランスシートを維持するとしても、短期金利水準をコントロールできる手段を有していることにも自信がある。

<市場のボラティリティ>

まず市場のボラティリティが現状と見通しの両方で低水準にあると言いたい。FOMCはボラティリティの適正な水準について目標を定めていない。しかし低水準のボラティリティは、例えばレバレッジの過剰な蓄積や満期の延長といったリスクテーク行動を誘発する可能性があり、こうした動きはいずれ金融の安定にとってリスクとなり得る。この点は私とFOMCにとって懸念要因だ。

<賃金>

労働市場は引き締まり始めているため、賃金の伸びが加速し、ある時点で実質賃金が伸びる、つまり報酬や名目賃金がインフレを上回るペースで伸びる段階に達するだろう。そうなれば家計は手取りの所得が実質的に増加する。これは労働市場引き締まりの兆候かもしれないが、制限範囲内であればインフレにとって脅威ではない。インフレは目標の2%と整合的な水準だからだ。賃金はいくらか速いペースで伸びる可能性があるし、私は実際、労働市場の回復過程においてそうしたことが起こると予想している。

率直に言って、もしこの予想通りにならなければ、私は消費支出の下振れを懸念するだろう。

<出口政策の手段>

政策の正常化に移行する手段は数多くある。超過準備に対する付利、翌日物の固定金利リバースレポ(RRP)ファシリティー、ターム物レポ、ターム物預金ファシリティー。そして適切な時期が来れば短期金利の全般的水準を引き上げるというわれわれの目的に資するため、これらの手段を具体的にどう動員するか、われわれの政策運営や目的を市場や国民に伝える最適の方法は何か。

これらについて協議中であり、いずれ詳細を紹介できると期待しているし、年内に出口政策についての一連の原則について修正版を示すことも考えてみたい。

<物価上昇の行き過ぎ、2つの目標>

物価上昇率はわれわれの目標を大幅に下回って推移し続けており、雇用最大化からもなお相当遠い距離にある。そして当面は、われわれが2つの目標を達成する上でいかなる矛盾も生じないと考えている。2つの目標はいずれも、非常に緩和的な金融政策という同じものを求めている。だから、物価上昇の行き過ぎ、あるいはわれわれが雇用の最大化を達成する前に物価上昇率が目標に到達してしまう考えは、この先のどこかの時点に存在する1つのリスクであるというのがせいぜいなところではないかと思う。

<市場動向、金利パス>

われわれが市場で目にしている事態について、それを説明する多くの理由が挙がっているのかどうかは知らない。またその理由の1つが自信過剰や慢心であるのかどうか分からない。しかし最初の声明で強調したように、市場参加者は金利、短期金利のパス(経路)は不透明であり、経済の道筋が不透明だからそれは必要不可欠だと理解することが重要だと思う。

<高利回り債>

高利回り債はもちろんわれわれの目に留まっている。一部で利回り追求の兆候が出ている。これが低ボラティリティー環境を警戒していると述べた理由の1つだ。これがレバレッジの増大や、急激な巻き戻しや金利急騰などを招きかねないリスクテークを誘発するようなら、懸念材料だ。

<債券ミューチュアルファンドの解約手数料>

FRB内でこの問題が協議されているとは認識していない。これは米証券取引委員会(SEC)の管轄範囲だと思う。

*内容を追加して再送します。

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