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アングル:内閣府がビッグデータ利用で再挑戦、新指標作成へ予算要求

[東京 25日 ロイター] - 内閣府がビッグデータを利用した景気判断指標の作成を検討している。小売りの販売(POS)データとインターネットの検索データなどを組み合わせ、足元の景況感を迅速に指数化するのが目的だ。

 6月25日、内閣府がビッグデータを利用した景気判断指標の作成を検討している。写真は2012年4月、ブカレストで撮影(2014年 ロイター/Bogdan Cristel)

2014年度に予算計上が見送られたため、15年度に再挑戦する。先行する米国など諸外国に追い付くきっかけができるか注目される。

<POSデータやネットでの単語検索利用>

関係者によると、内閣府が検討しているのは、小売りの販売データや、ネットでどのような単語が検索されているかという情報を組み合わせて、足元の景況感を図るシステムだ。

金融市場のグローバル化により、遠い海外のイベントも国内の金融・経済情勢に即座に影響を与えるにも関わらず、既存の経済統計は集計に数カ月を要するため、速報性のある指標が必要との判断から検討が始まった。

<日銀の調査論文も刺激材に>

検討の過程で内閣府は、日銀の若手研究者らが2013年1月に公表した「景気判断における検索データの利用可能性」という調査論文を参考にした。

グーグルが無料で公開している検索データのうち、「観光ツアー」や「ホテル」、「旅行ガイド」「史跡、歴史的建造物」といった旅行関連の検索データの動向が、観光庁公表している旅行業者取扱高の相関が高いとして、検索データから旅行取扱高の増減を早期に把握できるのを示している。

当初、内閣府は2014年度予算案の概算要求の中に、新指標作成のためデータ購入費用や有識者会議を開くため1300万円の予算要求を盛り込んだが、財務省の査定を通らず、予算計上は見送られた。

しかし、ビッグデータの活用が国内外で広がる中で、内閣府では 15年度予算であらためて予算要求する方向で議論を進めている。

すでに4月から家電や自動車、食料品の販売への消費増税の影響について、小売りデータをベースに分析しており、駆け込み需要の反動減の程度を図るため、ビッグデータの重要性について認知が広がっていると期待する。

検索データの分析についても、省内で有識者からのヒヤリングを進めている段階だ。

<日銀は「マンモス」稼働>

ただ、実用に向けて課題があるのも事実。小売りデータは集計している専門の調査会社などから購入する必要があるが、コストの見積もりが難しいという。

さらに特定の景気指標と相関の高い単語を選び出し、検索データから解析するには、エコノミストの視点と、工学系データ解析者の双方を超えた知見も必要とされ、学際的な連携が不可欠とされる。

ビッグデータの活用については、米国政府が2012年に関連技術開発の予算を計上し、環境、教育、防衛分野に応用する方針を表明するなど、産業競争力の根幹として取り組む動きがみられている。

日本では日銀が、国内総生産(GDP)の公表前に、選りすぐった複数の経済指標から独自試算するシステム「マンモス」を昨年稼働したほか、景気ウオッチャー調査のコメントを独自分析するなど、速報性のある景気指標の獲得に向け試行錯誤がみられる。

もっとも、ネットの検索データに基づく景気判断は未知の領域で、今後の動向が期待される。

竹本能文 編集:田巻一彦

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