[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州連合(EU)は27日の首脳会議で、ジャンクロード・ユンケル前ルクセンブルク首相(59)を次期欧州委員長に指名した。
ユンケル氏は7月16日に行われる欧州議会の承認を経て、正式に就任する。
ユンケル氏の起用をめぐっては、キャメロン英首相らの強い反対にあい、欧州委員長の指名としては初の採決に持ち込まれ、26対2の賛成多数でユンケル氏の指名が決まった。
キャメロン首相は、英国をEUにとどめるための取り組みが一段と困難になったとし、「EU改革に向けた戦いは長く、厳しいものとなることに疑いの余地はない」と失望を表明した。
同首相は、ユンケル氏を昔かたぎで、EUに変革をもたらす情熱も技量もないと批判し、欧州委員長への選出に反対していた。
ハンガリーのオルバン首相もこの日、反対票を投じた。
他のEU首脳らは採決後、キャメロン首相に配慮を示す格好で、英国の懸念に対処していく必要性や、EU統合の深化に向けた指針について、異なる国が異なる方法で統合を目指す余地を与える内容を首脳会議の総括文書に盛り込むことで合意した。
また、将来の欧州委員長選出プロセスを見直すことを約束した。
メルケル独首相は「われわれが合意した結論は、英国の懸念に真剣に対処する用意があることを示している」と強調した。
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