[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 22日 ロイター] - ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は22日、6月に発表した措置がユーロ安に支えられ、需要を押し上げると確信していると述べるとともに、ECBとして追加策を講じる用意があると言明した。
ワイオミング州ジャクソンホールで開かれているカンザスシティー地区連銀主催の経済シンポジウムで講演した。
成長に関する最近の指標は域内経済が「一様にぜい弱」であることを裏付けているとし、緩和的な金融政策スタンスを長期間維持する姿勢を強調した。
その上で「6月に発表した一連の対策が、実際にわれわれの目指すところの需要押し上げにつながるものと確信しており、われわれには政策スタンスをさらに調整する用意がある」と語った。
また「中長期のインフレ期待の強固な抑制を確保すべく、ECB理事会は非標準的な手段をも活用する方針だ」と表明。ただし、そのタイミングや条件については触れず、焦点の量的緩和(QE)についても一切言及しなかった。
為替市場では、ユーロEUR=がこの日、昨年9月以来の安値をつけたが、総裁は「為替相場はすでに総需要とインフレの双方を下支えする動きとなっており、それは欧米間で方向性の異なる政策によって継続するものと予想される」と述べた。
また、欧州の諸問題を解決し得るのは財政政策でも金融政策でもなく、労働市場の弾力化など各国政府による構造改革の推進にかかっていると強調した。
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