[上海/香港 26日 ロイター] - 中国で資産運用会社の子会社が最近デフォルト(債務不履行)に陥ったことで、同国の投資信託会社と合弁事業を展開する外国企業の間では、提携先のデフォルト時に投資家救済費用の負担を迫られるとの懸念が高まっている。
デフォルトになったのは、中国の富裕層向け金融サービス会社で米株式市場に上場しているノア・ホールディングス(諾亜財富)NOAH.Nの提携先と子会社が販売するファンド。
地元メディアが先週報じたところによると、今月期限を迎える10億元(1億6250億ドル)の理財商品が償還できなかった。
また韓国のミラエ・アセット・フィナンシャル・グループと中国の富裕層向け資産運用会社による合弁会社は11日、3200万元を超える利払いができなかったと発表した。
中国の銀行や信託会社が販売する富裕層向け金融商品については、政府の関与による救済が行われた。だが、資産運用会社の子会社がデフォルトした際の処理についてはこれまで前例がない。
アナリストは子会社がデフォルトした場合でも、政府の暗黙の保証は期待できないかもしれないと指摘する。
ある資産運用会社の幹部は、親会社が資金拠出を求められる可能性があるとの見方を示し、そうなれば最悪のシナリオで風評リスクにさらされると述べた。
業界関係者らは、監督機関の中国証券監督管理委員会(CSRC)が親会社に負担を求める可能性があり、そうしたシナリオはあり得るとしている。
また中国の合弁相手がシャドーバンキング(影の銀行)に乗り出し、不透明で複雑な仕組商品を手掛けていることを外国企業は既に懸念しており、法的リスクから合弁の解消に動く可能性があるという。
現在中国では約68の資産運用会社が子会社を通じて仕組商品や理財商品を販売しており、このうち半数近くが外国企業と合弁事業を行っている。
調査会社Zベン・アドバイザーズによれば、これらの子会社は2012年に市場への参入が解禁されてからこれまでに2兆元(3250億ドル)を超える仕組商品を販売した。
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