[ロンドン 27日 ロイター] - 27日のユーロ圏金融・債券市場では、独連邦債利回りが過去最低を更新した。ユーロ圏経済の減速があらためて意識され、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測が高まった。
予想を下回る独GfK消費者信頼感指数が材料視されたほか、イタリアの成長率見通しを下方修正すべきとしたパドアン経済・財務相の発言も相場を支援した。
DZ銀行のストラテジスト、ダニエル・レンツ氏は「(ユーロ圏)最大の経済規模を誇るドイツが失速すれば、とりわけ量的緩和(QE)など、ECBの追加緩和措置の可能性が高まる」と指摘した。
独連邦債先物FGBLc1は65ティック高の151.47と、最高値を記録。現物10年債DE10YT=TWEB利回りも0.896%と、過去最低を更新した。年初来の利回り低下幅は約100ベーシスポイント(bp)に達している。
スペイン10年債ES10YT=TWEB、イタリア10年債IT10YT=TWEB利回りもそれぞれ2.087%、2.346%と、3日連続で過去最低を更新した。
ドラギECB総裁はとりわけ、市場のインフレ見通し低下を懸念しており、市場は28日発表の独消費者物価指数(CPI)、29日発表のユーロ圏CPIデータに注目している。
一方、オーストリア10年債AT10YT=TWEB利回りは5bp低下の1.13%。
同国では、シュピンデルエッガー副首相兼財務相が前日、全ての役職から退いたと表明。税制改革問題で自身が率いる国民党(OVP)から十分な支援を得られなかったためとした。シュピンデルエッガー氏は、新たな課税なしに財源を手当てできなければ減税は行わないとの考えを示したことで党内から批判が出ており、国民党党首も辞任した。
欧州ではこのところ、成長支援と緊縮財政のバランスをめぐり、政治的な対立が目立っており、フランスも今週、内閣改造に追い込まれている。
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