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12月日銀短観、円安・原油安の影響交錯し先行きに不透明感 

[東京 15日 ロイター] - 日銀が15日発表した12月全国企業短期経済観測調査(短観)では、足元で大企業製造業の業況判断DIがプラス12となり、小幅ながら2四半期ぶりに悪化した。

 12月15日、日銀が発表した12月全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断DIがプラス12となり、2四半期ぶりに悪化した。東京湾で先月撮影(2014年 ロイター/Issei Kato)

先行きは中小企業を含めて総じて悪化が見込まれており、急速に進行する円安・原油安が企業の先行き不透明感を強めている可能性がある。一方、2014年度の設備投資計画が市場予想に反して上方修正されるなど、事業計画は良好な内容が維持された。

<足元の景況感はまちまち>

足元の業況判断DIは前回調査に比べて1ポイントの小幅悪化となる一方、非製造業はプラス16と3ポイント改善した。製造業の悪化は2四半期ぶりで、非製造業の改善は3四半期ぶり。中小企業は製造業がプラス1と2ポイント改善したが、非製造業はマイナス1と1ポイント悪化するなど、全体的にまちまちの内容となった。

今年4月の消費税率引き上げや雇用情勢のひっ迫に伴う人手不足、円安・原油安の進行など、それぞれの業種に及ぼすメリットとデメリットが交錯した格好だ。

もっとも、先行きは大企業製造業がマイナス3ポイント、同非製造業が同1ポイント、中小企業製造業が同6ポイント、同非製造業が同3ポイント、それぞれ悪化が見込まれている。日銀ではその要因について、足元で急速に進行する円安・原油安が企業の先行き不透明感を強めている可能性があるとみている。

<事業計画は良好、人手不足続く>

一方、2014年度の事業計画は総じて良好だ。大企業全産業ベースでみた売上計画は前年比プラス2.0%と0.2%ポイントの上方修正、経常利益計画も同プラス1.6%と4.7%ポイントの上方修正となった。

こうした増収・増益計画を受け、設備投資計画も同プラス8.9%となり、前回9月調査から0.2%ポイントの上方修正となった。ロイターの事前調査では、同プラス8.0%と下方修正が見込まれていた。四半期毎の計画推移でみても過去の実績より高めに推移しており、日銀によると、維持・更新投資の上積みや、一定の能力増強投資もみられている。

円安・原油安の進行が企業の仕入価格に与える影響では、大企業製造業の仕入価格判断DI(上昇─下落)がプラス19と前回調査から2ポイント上昇、先行きもプラス21と2ポイントの上昇が見込まれている。現段階では、原油安などに伴う原燃料価格の下落よりも、より幅広い業種に影響を与える円安による輸入価格上昇の影響の方が強く意識されているようだ。

雇用環境は引き続き、引き締まり傾向が強まっている。雇用人員判断DI(過剰─不足)は大企業製造業がマイナス1と前回調査から横ばいとなったものの、それ以外はすべて不足感を強めている。全規模全産業ではマイナス15と1992年5月調査以来の不足超幅となっている。

市場では、短観で企業が先行きに慎重な見方を示していることについて「円安進行を受けて企業の交易条件は小幅悪化しており、ネガティブ。しかし、原油安でマクロ経済の交易条件は改善しており、企業の見方が過度に慎重になっている可能性がある」(SMBC日興証券・チーフエコノミストの牧野潤一氏)との見方が出ている。

伊藤純夫 竹本能文 編集:田中志保

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