[東京 17日 ロイター] - 財務省が17日に発表した11月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は8919億円の赤字となった。29カ月連続で赤字となったが、貿易赤字は2カ月連続して前年比3割減と大幅に縮小した。原油価格の下落で輸入が3カ月ぶりに減少したことなどが影響した。
季節調整済の貿易赤字も前月比6.1%減と、10月より縮小した。
<輸出、数量ベースでは3カ月ぶり減>
輸出は前年比4.9%増の6兆1889億円。3カ月連続で増加した。数量ベースでは伸び悩み同1.7%減と3カ月ぶりに減少した。
品目では、半導体等電子部品(14.7%増)、科学光学機器(12.6%増)、金属加工機械(17.6%増)などが増加した。船舶や自動車の現地生産の進展などが数量ベースでの減少に響いた。
地域別では、米国向け輸出が前年比6.8%増となり3カ月連続で増加、中国向け輸出も同0.9%増と3カ月連続で増加した。一方、欧州連合(EU)向けは同1.3%減と18カ月ぶりに減少した。短期的な需要減が影響したとみられる。
為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル111.43円で、対前年比13.2%の円安だった。
<輸入は3カ月ぶり減、ドルベース原粗油単価「2010年12月以来の水準」>
輸入は同1.7%減の7兆0807億円。原油価格の低下で3カ月ぶりに減少した。液化天然ガスや通信機は増加したが、原粗油(21.6%減)、石油製品(15.9%減)、石炭(21.2%減)などが減少した。
輸入原粗油単価は前年比8.9%低下の6万3593円/キロリットル。2013年1月(6万1323円/キロリットル)以来の水準に低下した。ドルベースでは同19.5%低下の90.7ドル/バレル。2010年12月(86.2ドル/バレル)以来の水準に低下した。
ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、貿易収支の予測中央値は1兆円の赤字。輸出は前年比7.0%増、輸入は同1.7%増だった。
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